「預かり知らぬ」とは?使い方や言い換えなど、慣用句やビジネスでも使える言葉を分かりやすく解釈

「預かり知らぬ」とは? ビジネス用語【一語】

「預かり知らぬ」とはどのような意味で使われる言葉なのでしょうか。

今回は、「預かり知らぬ」の意味と類似表現について解説します。

「預かり知らぬ」とは?

「預かり知らぬ」とは、「関わりがなくまったく知らない」という意味で使われる言葉です。

「預かり知らぬ」の使い方や使われ方、使うときの注意点

案件や要件などに関わりを持つことを「預かる」と表現します。

一般的に「預かる」というと「受け取って保管する」という意味であり本来は「与り知らぬ」と書くのが正しい表記です。

「預かり知らぬ」という表記は「預かる」「与る」を取り違えた誤用でが、現在では「預かり知らぬ」と表記する例も増えており慣用的な表現として認めようという見方が優勢です。

このように本来誤用である使い方が慣例的に認められるようになった例として「確信犯」「とんでもございません」「爆笑」などがあります。

「預かる」には「要件や事件などを自分の手元に引き取り管轄する」という意味もあります。

喧嘩を仲裁するときに「私が預かる」という形で両者の間に入ることがありますがこれは「この喧嘩は私が管轄するので自分の目の届かないところで喧嘩を続けるな」という意味です。

「預かり知らぬ」の表記が誤用ではないと考えた場合、本来の意味である「関与しておらず知らない」という意味だけでなく「自分が受け持っている要件ではないので知らない」という意味でも受け取れます。

「関与」「管轄」は性質的にとても近い見合いであり言葉としてもきちんと意味が通じることから「与る」の誤用である「預かる」が広まったとされています。

ただ知らないだけではなくそのことに一切関わりがない、つまり「案件や要件についての責任が一切ない」ことを主張するときに用いられる言葉でビジネスにおいては保証や損害賠償などの責任を負ういわれがないときに使う表現です。

言葉の中に「責任逃れ」のニュアンスが含まれてしまうためややネガティブに取られがちな表現ですが言葉そのものは公平であり責任の所在を明らかにしたいときなどは堂々と使います。


「預かり知らぬ」を使った例文

・『トラブルについてはまったく預かり知らぬことである』
・『部下の背任について私は一切預かり知らない』
・『預かり知らぬこととはいえ管理職として責任を果たす必要がある』

「預かり知らぬ」の類語や言いかえ

・知るところではない 「自分の知らないところで起こったことである」という意味の言葉です。

知り得る範囲ではない、つまり「知らない」を意味する言葉であり「預かり知らぬ」と同じく関わりがないことを主張しています。

まとめ

「預かり知らぬ」は本来誤字を使った誤用であり厳密に言うと間違いですが現在では慣用表現として受け入れられています。

言葉にうるさい人に注意される可能性があるので気になる場合は「与り知らぬ」という本来の表記を使いましょう。