「ご尊顔ください」とは?
ビジネスでの使い方や、敬語での言い換え方法などについて、分かりやすく解説していきます。
「ご尊顔ください」とは?
「尊顔」は、相手の顔に敬意を示して表現するための言葉です。
これに「ご」を付けて「ご尊顔」とすることで、より丁寧な表現にしています。
しかし、ここで注意すべきポイントは「尊顔」も「ご尊顔」も名詞だということです。
敬語表現を外せば「顔」という名詞でしかないと言えます。
これに対して「ください」は「くれ」の丁寧語です。
そのため、「ご尊顔をください」を平易に言いかえると「顔をくれ」になります。
このような文章は成立せず、意味が分からないものになってしまいます。
このことからも分かる通り、「ご尊顔をください」は文法的に誤った表現だといえるのです。
「ご尊顔ください」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは「ご尊顔ください」のビジネスでの使い方には、どのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、業界の有名人にあえる機会ができたとします。
あなたは、その有名人にぜひ会いたいと考えました。
このような場合に「ぜひご尊顔ください」と述べてはいけません。
丁寧な表現に聞こえますが、実質は意味が分からないものになってしまうのです。
このような場合には、「ぜひ、ご尊顔を拝謁いたしたい」などに言いかえて使うとよいでしょう。
他にも様々な言いかえが考えられますが、「顔を見たい」、つまり「会いたい」ということが相手に伝わればよいのです。
この言葉を使用する場合は、「ご尊顔」が非常に丁寧な表現であることに注意しましょう。
普通に使ってしまえば、すぐに過剰表現になってしまうレベルの言葉です。
使う相手や使う場面は限定されますので、気軽に使わないように注意するとよいでしょう。
「ご尊顔ください」を使った例文
ここでは「ご尊顔ください」を使った例文を挙げていきます。
ここでは例文として挙げていますが「ご尊顔ください」では意味が通じないでしょう。
「ご尊顔下さい」は「ご尊顔を拝謁いたしたい」などに言いかえて使うことをお勧めします。
・『ぜひ、ご尊顔ください』
・『いつの日か、ご尊顔ください』
・『願わくは、ご尊顔ください』
「ご尊顔ください」の類語や敬語での言いかえ
それでは「ご尊顔ください」の類語や敬語での言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「ご尊顔ください」の類似表現
「ご尊顔ください」は意味が通じない表現ですが、「ご尊顔」は「お顔」と言い換えできます。
「ご尊顔を拝謁したく」は「お顔を拝謁したく」と言いかえると、同じ意味で成立すると分かるはずです。
「ご尊顔ください」の敬語表現
「ご尊顔ください」を別な敬語表現で言い換えるとどうでしょうか。
たとえば「ご尊顔を仰ぎたく」という言い換えが可能です。
まとめ
このように「ご尊顔ください」は、文章として成立していない言葉だと言えます。
「ご尊顔を拝謁したく」や「ご尊顔を仰ぎたく」などに言いかえて使用することをおすすめします。