みなさんは、「余韻を楽しむ」という言葉をご存じでしょうか。
この記事では、この言葉の意味や使い方、使う際の注意点、例文や言い換えについて、詳しく解説していきます。
「余韻を楽しむ」とは?
「余韻」は「よいん」と読みます。
「余」は「あます、あまる」といった意味があります。
「韻」は、「音」+「員」の文字が組み合わさった漢字です。
「音」は「楽器や石、草木によって発せられたひびき」という意味で、「員」は「かなえ」という三本足の器に丸い口が示され、転じて、「三人が向かいあって丸く口を開けている」というニュアンスから、「韻」は「まろやかな音のひびき」という意味となっています。
このことから、「余韻」は、「まろやかな音のひびきが余すほど広がっている様子」を意味しています。
その「余韻」を「楽しむ」という様子を表現した言葉が、「余韻を楽しむ」になります。
「余韻を楽しむ」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「余韻」という言葉は、様々な場面で用いられています。
楽器そのものから発せられた「音の余韻」、詩歌などにおいて繰り返し読むことによる「言葉の余韻」、感情や心情などがあとを引く「心の余韻」などがあります。
また、実際に「音」や「言葉」そのものが鳴りやみ響いていない状態であっても、その印象がいつまでも「心の奥に染み入る感覚」を得られることがあります。
これも、「余韻」と言います。
例えば、音楽を聴き終わった後や、映画を見終わった後に、心にジーンと残るものは「余韻」と言えます。
また、旅行から帰った後、あるいは、美味しい食事をいただいた後などの、満足感や嬉しさ、あるいは物足りなさや寂しさも、「余韻」のひとつと言えるでしょう。
「余韻を楽しむ」を使った例文
・『俳句の魅力は言葉の余韻を楽しむことができることだ』
たった十六文字の言葉でも、その表現力、背景などが読み手に伝わり、いつまでも心に余韻を残します。
これが俳句の大きな魅力のひとつです。
・『オーケストラの生演奏は、ホールに響き渡る余韻を楽しむことができます』
指揮者がタクトを止めても、ホール全体に響き渡るオーケストラサウンドの余韻が、聴く人の心をとらえて離しません。
その余韻が心を最大限に打ち震わせた時、大拍手が巻き起こります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「余韻を楽しむ」は、実際にまだ音が聞こえている状態での「音の余韻」と、すでに音は鳴りやみ聞こえていない状態での「心の余韻」があることが分かりました。
また、「余韻」という文字は「音」に関する成り立ちがありますが、「余韻を楽しむ」は「音」以外にも、言葉や心情に対して使うことが出来ます。
音楽や映画を見た後。
また、美しい景色を見た後。
あるいは、心に残る言葉や場面など、私たちの日常に「余韻」を感じ取ることができるシーンは沢山あります。
みなさんも、「心の耳」を研ぎ澄ませて、余韻を楽しんでみてはいかがでしょうか。