新車づくりに関わる「カーデザイナー」と「クレイモデラー」はどんな仕事なのでしょうか。
今回は、ふたつの仕事の特徴と違いを解説します。
「カーデザイナー」とは?
「カーデザイナー」とは、「車をデザインする職業」です。
外装や内装、カラーリングや素材選びなど「カーデザイナー」は車に必要なデザイン全般を手がけます。
車は定期的にモデルチェンジされ見た目を一新しますが「カーデザイナー」はこれまで培われてきたイメージを引き継ぎつつ新鮮味が加わるような新しいデザインを考案して車を作ります。
「カーデザイナー」が手がけるのはデザインの分野なので車の走行性能に直結する基本設計や空力設計などはそれぞれ別の専門家が担当します。
担当者と話し合いながらエンジンやタイヤの位置など全体の配置を決め燃費につながる空力設計を取り上げた外装デザインを仕上げながら最終的な完成型となる車のデザインをまとめ上げるのが「カーデザイナー」の役割です。
「クレイモデラー」とは?
「クレイモデラー」とは、「試作車の立体物を実物と同じ大きさの粘土細工で作り上げる職業」です。
車の試作段階では設計図やデザイン画が何枚も作成されますが、実際に車として造り上げたときにどのような印象になるのかは作ってみるまでわかりません。
完成した車がイメージしやすいよう粘土で実物大の新車を作る「自動車立体造形の専門家」が「クレイモデラー」です。
「クレイモデラー」は微妙なデザインの具合を見るために粘土で微調整を加えつつ粘土細工のクレイモデルを作ります。
形を整えたり付け加えたりしながらチームで話し合いを重ね理想的なデザインを完成させて粘土で実物大に再現します。
「カーデザイナー」と「クレイモデラー」の仕事の違い
「カーデザイナー」と「クレイモデラー」はどちらも新しい車のデザインに関わる仕事ですが役割に違いがあります。
新しい車のデザインを考え絵や図面などに書き起こしデザインするのが「カーデザイナー」、新しい車の形を粘土で立体造形するのが「クレイモデラー」という違いで区別されます。
「カーデザイナー」はゼロからデザインを発想し、「カーデザイナー」が考えついたデザインを立体で再現するのが「クレイモデラー」というように役割分担されています。
「カーデザイナー」と「クレイモデラー」の仕事の違い(給料面の考察)
「カーデザイナー」の平均年収は600~700万円、「クレイモデラー」の平均年収は550~650万円です。
どちらの仕事も希望者に対して枠が少ない競争倍率の高い人気職で、高い技術と専門知識に加え経験が重要視される仕事なので自動車メーカー勤務で経験を重ねてから独立する人も多くいます。
特に「カーデザイナー」は世界的に名が知られるようになると一件で数億円もの報酬が支払われます。
まとめ
「カーデザイナー」と「クレイモデラー」は新車づくりに欠かせない仕事ですが仕事内容はまったく異なります。
車づくりの道に進みたいのなら平面と立体、どのような形でクルマづくりに携わるかを考えて進路の参考にしてください。