みなさんは、ビジネスシーンで「ご機嫌麗しゅう」という言葉を、使ったことはありますか?
この記事では、この言葉について使い方や注意点、例文や言い換えなどを詳しく解説します。
「ご機嫌麗しゅう」とは?
「ご機嫌麗しゅう」は、「ごきげんうるわしゅう」と読みます。
「ご機嫌」は、「表情として見て取れる気分の良し悪し」という意味で、丁寧表現の接頭語「ご」を付けた言い方です。
「麗しゅう」は、「麗しい」という言葉が元になっていて、「美しく整っているさま、気高く美しい」といった意味合いがあります。
「麗しい」は形容詞です。
形容詞を丁寧に表現するには、後ろに「ございます」を付ける言い方しかありません。
「麗しい」を丁寧表現として「麗しくございます」とすると何となく違和感があるということから、活用語尾「く」を「ウ音便」の形に変えた「連用形」として、発音しやすく使いやすい言葉にしたのが「麗しゅう」です。
つまり、「ご機嫌麗しゅう」は、「機嫌よく健康でお過ごしのご様子です」といった意味合いを、とても丁寧な言い方にした言葉です。
「ご機嫌麗しゅう」の使い方や使われ方、使うときの注意点
日常的な別れの挨拶として、「ごきげんよう」がよく使われています。
漢字で表記すると「ご機嫌好う」となりますが、現代ではこういった表現はあまり用いられず、ひらがな表記が一般的になっています。
「ごきげんよう」を「ご機嫌よく」とした場合、「ご機嫌美しく」といったニュアンスで「ご機嫌麗しく」と品よく表現した経緯が見えてきます。
この「ご機嫌麗しく」をより丁寧に気品ある表現にする場合、「ご機嫌麗しくございます」が使いにくいとして、「ご機嫌麗しゅう」に変化させて用いたというわけです。
主に、上流階級の人々が日常的な挨拶に使っていました。
現代でも教育の一環として、また、かしこまった場面で使われていますが、普段の暮らしの中では使うことは殆どありません。
「ご機嫌麗しゅう」を使った例文
・『ご無沙汰しております。ご機嫌麗しゅう存じます』
・『それでは、ご機嫌麗しゅう。またお会いいたしましょう。』
「ご機嫌麗しゅう」は、出会い、別れの場面で、丁寧な挨拶として使われていることが分かります。
「ご機嫌麗しゅう」の類語や言いかえ
「ご機嫌麗しゅう」を言い換える場合、どのような表現ができるか、例を見てみましょう。
「いかがお過ごしでしょうか」
現代では、この表現が一般的で、日常的にとてもよく使われています。
ニュアンスとしてカジュアルさがあるため、かしこまった場面やビジネスシーンではあまり使われません。
「ご無沙汰しておりますが、お変わりありませんでしょうか」
「ご無沙汰」の意味合いとして、「久しく連絡もできず申し訳ない」というニュアンスが含まれているため、相手の健康や状況を気遣う言葉として、ビジネスシーンで使うことが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ご機嫌麗しゅう」は、相手の健康や気分を思いやる挨拶の言葉ということが分かりました。
気品ある表現であることから、日常的に用いられることはあまりありませんが、気品ある日本語として、言葉の成り立ちや意味を理解しておくと良いでしょう。