ここではあらたまったシーンなどで使われている「おくればせながら」という表現について、わかりやすく説明していきます。
「おくればせながら」とは?言葉の使い方や使われ方、使うときの注意点
「おくればせながら」はビジネスで交わされる会話やメール、もしくは手紙などでしばしば使われる表現です。
メールや手紙などでは漢字を交えた表記で、「遅れ馳せながら/遅れ馳せ乍ら」または、「後れ馳せながら/後れ馳せ乍ら」と描かれることもあります。
この表現は「適切な時期に遅れてしまったことを申し訳なく感じています」という気持ちを相手に伝えるとき用います。
例えば仕事で初対面の人に会った時に名刺を渡すのを忘れた場合には、「おくばせながら」と言葉を添えて名刺を手渡しながら自己紹介するなどです。
初対面の人に名刺を渡すのはビジネスマナーのひとつですが、最初に渡すのを忘れてしまってもそれほど失礼に当たりません。
つまり「ついうっかりしていて恐縮です」との軽い謝罪の表現です。
しかし期日が決まっている事柄、例えば書類の提出日、商品の納品日などを守れないのはビジネスでは致命的なミスになります。
この場合に相手に対して「おくばせながら」と軽い謝罪の言葉を添えるのは大変失礼に当たります。
この場合では「大変申し訳ありません」など、きちんと謝罪の意を表す言葉を添えるべきです。
またビジネス以外では使われる場合では、「時期が遅くなりましたが」「ベストタイミングではないのですが」「他の人と比較すると遅いのですが」などのニュアンスを丁寧な言葉で伝える時に使われ、時には謙遜の意味も含んでいます。
「おくればせながら」を使った例文
・『おくばせながら私の家族を紹介させていただきます』
・『おくばせながら参加させていただきます』
・『おくばせながら今回の作品について感想を述べさせていただきます』
「おくればせながら」の類語
「おくればせながら」と同じような意味を持つ表現には「タイミングがずれてしまいましたが」「おそまきながら」「時期を逸してしまいましたが」などがあります。
また家族は仲の良い友達や知人に対しては「タイミング外したけれど」「遅くなったけれど」と表現します。
「おくればせながら」の敬語表現
「おくればせながら」は丁寧な表現で敬語として使われる言葉です。
ビジネスや目上の人に対して使う場合では「させていただきます」と丁寧な文末で締めくくるのが一般的です。
「おくばせながら紹介します」ではなく「おくばせながら紹介させていただきます」となります。
「おくればせながら」の返答や返信例
「おくればせながら」が軽い謝罪をあらわす意味として使われる場合では、「とんでもございません」「お気になさらないでください」と謝罪する必要はないという気持ちを伝える表現します。
もしくはまたは単純に「ありがとうございます」など、相手の行動に対して感謝の言葉を返すのが一般的です。
例は「おくればせながら報告させていただきます」に対して、「わざわざありがとうございます」です。
まとめ
「おくればせながら」はビジネスや目上の人などに対して使う言葉です。
この言葉を添えることで、コミュニュケーションがスムーズになる場合もあるので、きちんと使えるようにしておいて損はありません。