この記事では日常やビジネスの場でしばしば使われる慣用句の「折り入ってお願いがあります」について、その意味や使用方法等を分かりやすく説明します。
「折り入ってお願いがあります」とは?意味
「折り入ってお願いがあります」の慣用句は、「折り入って」と「お願いがあります」によって構成されています。
前半の「折り入って」とは「心を込めて」や「特別な思い入れを持って」という意味の言葉です。
また、後半の「お願いがあります」は言うまでもなく、「何か依頼することがある」ことを意味する言葉で、文の構成としては「願い」に謙譲を表現する接頭辞の「お」が付けられ、「ある」に丁寧語表現の「まず」が付けられた敬語表現の言葉です。
従って、「折り入ってお願いがあります」の慣用句の意味は、「心を込めて、依頼したいことがある」で、これまでに頼んだ事もない事柄を依頼する際に使われる言葉です。
この慣用句には、「信頼しているあなたに、二人きりでお願いをする」という意味合いもあり、基本的には二人きりでお願いをする場合に使われます。
この慣用句が使われるシーンとしては、例えば仕事関係の付き合いだけだった上司に結婚式の仲人や主賓の挨拶をお願いする場合や、ビジネス上の関係のない友人に事業資金の援助を申し出る場合や、従来は部品等を仕入れるだけだった会社に対して、技術提携等の深い関係構築を持ちかける場合などが挙げられます。
ちなみに、この慣用句で使われている「折り入って」は「お願いがあります」と組み合わせて使われるだけでなく、「折り入ってご相談がございます」や「折り入ってお話したいことがございます」や「折り入ってお耳に入れておきたいことがございます」なの慣用句としても使われています。
「折り入ってお願いがあります」の上司や目上に使うときの注意点
「折り入ってお願いがあります」という言葉には、前項で記載したように、「あなたを信頼してお願いしたいことがあります」という意味合いもあり、また文の構成面でも「あります」と丁寧な表現を使っているので、敬語表現として、上司や目上の人にも使えます。
しかし、何となく敬意の表現が弱いのではと、気になる方は、「折り入ってお願いがございます」と言い換えたり、「お忙しいところ大変恐れ入りますが」などと、相手を気遣う言葉を前置きに付けたりされると良いでしょう。
「折り入ってお願いがあります」を使った例文
・『この度、経理の○○さんと結婚することになりました。つきましては、部長に折り入ってお願いがあります』
・『折り入ってお願いがあるのですが、お時間を取っていただくことはできますでしょうか』
・『わたくし事で恐縮ですが、折り入ってお願いがあります』
「折り入ってお願いがあります」の返答や返信例
「折り入ってお願いがあります」と言われると、何事かと、ドキッとします。
この前置きをして、相手から話がある場合には、相手が真剣にお願いしようとしているので、こちらもまず話を真剣に聞く必要があります。
その上で、依頼内容に応じられるか否かを、明確に返答する事が大切です。
真剣に考えて、依頼や相談をして来ているのに、曖昧な返事で返すと相手を悩ませる事になりかねません。
検討時間が必要で即可否の返答が出来ない場合なら、その旨をはっきり伝えるべきです。
まとめ
「折り入ってお願いがあります」の慣用句は、「心を込めて、依頼したいことがあります」との意味で、これまでに頼んだ事もない事柄を依頼する際に使われる言葉です。