みなさんは、ビジネスシーンにおいて、「落葉の候」を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方や注意点、言い換えについて、詳しく解説していきます。
「落葉の候」とは?
「落葉の候」は「らくようのこう」と読み、落ち葉の季節を表す晩秋から初冬の「時候の挨拶」です。
時候の挨拶とは、文書やメールの冒頭で述べる挨拶の様式のことで、日本の季節や気候にちなんだ言葉とともに、相手の健康や心身を気遣う思いやりの言葉です。
「落葉の候」の後には、「いかがお過ごしでしょうか」や「お変わりはございませんか」といった言葉が続けられます。
季節の言葉と思いやりの言葉を合わせて「時候の挨拶」と呼べるでしょう。
また、「〜の候」と表現する漢語調と、「落ち葉の舞う季節となりましたが」といった口語調の表現方法があります。
相手の立場や状況に合わせて、表現方法を選ぶことが出来ます。
「落葉の候」の使い方や注意点
「落葉の候」は、落ち葉が舞う初冬の頃を表す時候の挨拶で、落ち葉は晩秋のイメージがありますが、11月7日頃の立冬を過ぎてから使うのが良いとされています。
立冬と言えば暦の上では冬ですが、11月は秋の色合いが濃い地域もあるでしょう。
ですから、四季と気候などを踏まえた「時候の挨拶」の言葉選びが必要であることが分かります。
「落葉」の言葉がもつイメージもとても大切です。
秋から冬への移り変わり、寂しさや切なさ、美しさ、哀愁など、受け取る人によって印象も変わるものです。
散りゆく落ち葉の儚さ、冬の雪に閉ざされる閉塞感などが、厳しさや切なさをイメージさせるのかも知れません。
この言葉を使った時に、相手はどのように感じ取ってくれるのか。
そういったことも想像しながら言葉選びをしてこそ、相手を気遣うメッセージにあなたの思いが映し出されるのでしょう。
「落葉の候」の言い換え
・『枯葉の候、いかがお過ごしでしょうか』
・『落ち葉の候、いかがお過ごしでしょうか』
・『霜降りの候、お変わりございませんか』
・『紅葉の候、お変わりございませんか』
・『寒露の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます』
・『霜月の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます』
季節の言葉と思いやりの言葉は、その時の状況に相応しい表現で、言い換えや敬語を使い分ける必要があります。
相手にメッセージを送るタイミングも踏まえて、季節の景色や心情を映し出す表現方法を、あなたなりに演出してみてください。
まとめ
「落葉の候」は、11月の季節を物語る時候の挨拶です。
相手を思いながらの言葉選びは、そのまま素敵な思いやりの言葉へと繋がることでしょう。
窓の外でも眺めながら、したためてみてはいかがでしょうか。