この記事では、ビジネスシーンで使われることのある「拝見いたしました」のフレーズについて、その意味やビジネスでの使い方や敬語表現を分かりやすく解説します。
「拝見いたしました」とは?意味
「拝見いたしました」における「拝見」の読みは「はいけん」で、「見る」の謙譲語です。
また「いたしました」は「する」の謙譲語表現の「いたす」に、丁寧語の「ます」の過去形の「ました」が付けられた表現です。
したがって、「拝見いたしました」は「見ました」との意味の敬語表現と言えます。
しかし、「見る」という表現に対して、「拝見」と「いたす」の二つの謙譲語が使われているので、文法的には間違えた日本語だと言えます。
正しくは、「拝見しました」と表現すべきです。
「拝見いたしました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「拝見いたしました」は、先に記した通り、二重敬語に当たります。
二重敬語はくどい表現であると共に、何より文法的には間違いです。
ただ、文法的には間違えていても、多くの人が頻繁に使うことで、いつしか慣習的に許容されるケースもあり、この「拝見いたしました」のフレーズもこうした表現の一つだと言えます。
しかし、間違い表現であることに違いはなく、指摘される恐れもあるので、やはり「拝見しました」と意識的に正しい表現を使い、身に付けることが大切です。
ちなみに「拝見させていただきました」も同様に二重敬語で間違い表現です。
また、この「拝見」と同じように「拝」の漢字が使われた「拝聴」も「聴く、聞く」の謙譲語なので、「拝聴いたします」や「拝聴いたしました」と表現するのも、二重敬語となり間違いとなります。
合わせて覚えておくと良いでしょう。
「拝見いたしました」を使った例文
・『先日の議事録を拝見いたしました』→正しくは『先日の議事録を拝見しました』
・『資料を拝見いたしましたが本当に分かりやすく勉強になりました』→正しくは『資料を拝見しましたが本当に分かりやすく勉強になりました』
「拝見いたしました」の類語や言い換え
「拝見いたしました」は二重敬語であり、正しい言い換え表現は先に記したように「拝見しました」です。
また、改まったニュアンスはなくなりますが、「拝見」を使わず「見る」を使って、「見させていただきました」と言い換えることも可能です。
まとめ
「拝見いたしました」は「見ました」との意味の敬語表現としてよく使われるフレーズです。
しかし、「見る」という表現に対して、「拝見」と「いたす」の二つの謙譲語が使われているので、二重敬語に当たり、文法的には間違えた日本語だと言えます。
正しくは、「拝見しました」と表現すべきです。
