みなさんは、ビジネスシーンにおいて、「お目にかないましたら幸甚に存じます」を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方や注意点、言い換えについて、詳しく解説していきます。
「お目にかないましたら幸甚に存じます」とは?
「お目にかないましたら」は「お目にかなう」を仮定形にした言い方です。
慣用句として「お目にかなう」という言葉はないため、「お眼鏡にかなう」か「お目にかかる」のどちらかであると想定できます。
「お眼鏡にかなう」であれば「目上の人に認めてもらえたら」という意味があります。
「お目にかかる」であれば「目上の人に会えること」という意味になります。
「幸甚」は「こうじん」と読み、「幸せ」+「はなはだしく」で成り立つことから「この上ない幸せ、とても嬉しい様子」を表す言葉になります。
「存じます」は「思う」をへりくだり丁寧な言い方にした言葉です。
「お目にかないましたら幸甚に存じます」の使い方や注意点
まず、「お目にかないましたら」という言い回しの慣用句がありません。
この言葉によく似た「お眼鏡にかなう」もしくは「お目にかかる」のどちらかの誤用と考えられます。
「お眼鏡」には「物事の善悪を見極める」という意味があるため、取引先や顧客から、商品やサービスについて高い評価を得ることが出来た場面などにおいて、「お眼鏡にかないましたら幸甚に存じます」が使われています。
一方の「お目にかかる」は、「相手に会えること」を謙譲表現にした言葉です。
目上の相手と会える機会になりそうな場面で「お目にかかれましたら幸甚に存じます」を使うことができます。
「お目にかないましたら」は一見ありそうな表現ですが、誤って使わぬよう注意したいところです。
「お目にかないましたら幸甚に存じます」の言い換え
・『お目にかかれて光栄です』
・『お目にかかれましたら光栄に存じます』
・『お目にかかれたら嬉しいです』
・『お眼鏡にかなえば光栄です』
・『お眼鏡にかなえば嬉しく思います』
・『お眼鏡にかなえば幸いです』
「かなう」を漢字表記する際は「叶う」と表記しがちですが、「敵う」が正しい使い方で「匹敵する、相応しい」といった意味合いがあります。
まとめ
いかがでしたか。
「お目にかないましたら幸甚に存じます」は、本来の意味とは異なる使い方をした言葉ですが、実際に使っているケースは少なくないようです。
ただし、「お目にかなう」という表現は、「お眼鏡にかなう」なのか「お目にかかる」なのか、どちらのことを言っているか誤解されやすくなるデメリットがあります。
本来の意味を正しく理解しておけば、仮に相手が使っていたとしても、正しく判断して対応することができるようになります。