みなさんは、ビジネスシーンにおいて、「拝見してください」を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方や注意点、言い換えについて、詳しく解説していきます。
「拝見してください」とは?
「拝見」は「はいけん」と読み、「見る」の敬語表現です。
自分が見せてもらうことをへりくだった言い方が「拝見」となります。
「してください」は、相手に行動してもらうことをお願いしている言い方です。
つまり、「拝見してください」は、「相手に見てもらうこと」を促す言い方の言葉です。
ただし、少し違和感があります。
「拝見してください」の使い方や注意点
「見る」を謙譲表現にしたのが「拝見」で、「拝み見る」という意味の丁寧な言葉です。
「してください」は、相手に行動を促す言い方で、場合によっては命令調にもなり得る表現です。
「拝見してください」という表現は、自分が見ることをへりくだった言い方にしているにも関わらず、命令調とも受け取れてしまうことから、“間違った使い方”と言えるでしょう。
自分が主語の場合は「拝見します」を使うことが出来ますが、相手が主語の場合は「ご覧ください」が一般的な敬語表現となります。
丁寧表現の接頭語「ご」や「お」を付けることで、相手の立場となる敬語も多く存在しますが、「拝見」のように、言葉によっては主語の立場を変えると共通の熟語を使えないケースもあることが分かります。
立場を踏まえた敬語の使い方に注意しましょう。
また、ビジネスシーンでも「拝見」はよく使われるため、上手く使いこなす必要があるでしょう。
正しい表現として、「拝見させていただきます」や「拝見いたします」のように伝えることが出来ます。
「拝見してください」の言い換え
・『ご高覧ください』
・『どうぞご覧ください』
・『ごゆっくりご覧ください』
・『じっくりとご覧ください』
・『ご自由にご覧ください』
・『どうぞ見て行ってください』
・『どうぞご確認ください』
・『ぜひ見てください』
・『ご一読ください』
・『目を通してください』
いずれも“相手に見てもらう”という行動に対し、敬意を表した言い方になっています。
クッション言葉として「どうぞ」や「ごゆっくり」などを用いることで、柔らかな表現にすることが出来ます。
相手の立場や状況に合わせてうまく組み合わせてみると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「拝見してください」は、相手に見てもらうことを敬語にした「拝見」を使っていますが、相手の行動を促す言い方で表現してしまっているため、誤った使い方であることが分かります。
正しい表現としては「ご覧ください」が挙げられます。
敬語表現の理解を深め、上手く使いこなしてみてください。
