この記事ではビジネスでしばしば使われる慣用句の「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」の意味や言葉の構成や使われ方について分かりやすく説明します。
「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」とは?意味
「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」とは、「不都合や迷惑を与えてしまったことを詫びます」を意味する敬語表現の慣用句です。
以下に、この慣用句を言葉毎に分解し、少し詳しく説明します。
慣用句の前半の「ご不便をおかけして」における「ご不便」は、「便利でないことや、不都合なこと」を意味する「不便」に尊敬の意を示す接頭辞の「ご」を付けたものです。
また「おかけして」は漢字表記では「お掛けして」で、ここで使われている「おかけする」は、「迷惑など相手に不利益なことを与えること」を意味する「かける」に、接頭辞の「お」と、後ろに補助動詞の「する」を付けて謙譲の意を表す表現としたものです。
ちなみに、「迷惑をかける」の表現は正しいが、「不便をかける」の表現はおかしいのではと、感じられる方もおられる様です。
しかし「不便」を受けた人は、「望まない不都合なこと」を与えられるのですから、「不便をかける」も間違った使い方ではありません。
従って「ご不便をおかけして」は「不都合を与えてしまって」を意味する正しい日本語の、敬語表現となります。
また後半の「申し訳ありませんでした」は、言うまでもありませんが「 相手に無理をさせてしまい、すまないという気持ち」を表す「申し訳ない」の過去形の敬語表現です。
以上の構成から、この慣用句は冒頭で記載した様に、「不都合や迷惑を与えてしまったことを詫びます」を意味する敬語表現となるのです。
「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」の上司や目上に使うときの注意点
前項で説明した様に、「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」は敬語表現なので、上司や目上の人に使っても問題ない言葉です。
しかし、これでも敬意を示す表現が弱いと感じられる場合には、「ご不便をおかけして申し訳ございませんでした」と言い換えると良いでしょう。
「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」を使った例文
・『信号機故障による電車の遅れで、ご不便をおかけして申し訳ありませんでした』
・『道路改修中は、ご不便をおかけして申し訳ありませんでした』
・『ご不便をおかけして申し訳ありませんでした。今後は再発防止に努めます』
「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」の返答や返信例
計画的な道路改修や突然の事故による電車等の遅れに対して、この慣用句で広くお客さんにお詫びの言葉があった場合には、納得する以外はなく、もちろん返答も不要です。
しかしビジネスシーン等で、個別案件で何か不都合な目に合わされた場合もあります。
そんな時には、迷惑度合いが低ければ、「分かりました。
リカバリーよろしくお願いします」と返すのが適切です。
また迷惑度合いがひどい場合でも、相手が丁重に詫びているのですから、罵倒したりするのではなく、いかにリカバリーするのかを問いただし、再発防止等を要求するのが紳士的な対応と言えます。
まとめ
「ご不便をおかけして申し訳ありませんでした」とは、「不都合や迷惑を与えてしまったことを詫びます」を意味する敬語表現の慣用句です。