みなさんは、ビジネスシーンにおいて、「説諭の上」を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方や注意点、例文と言い換えについて、詳しく解説していきます。
「説諭の上」とは?
「説諭の上」は「せつゆのうえ」と読みます。
「説諭」とは、「教えさとすこと」という意味で、目上の立場から注意や助言を施すことを指します。
似ている言葉に「説教(せっきょう)」がありますが、「説諭」の方が厳しく言い聞かせるニュアンスがあります。
「~の上」という表現は、「~をもって」といった意味合いとなるため、「説諭の上」は「目上からの厳しい教えをもって」という意味合いになります。
「説諭の上」の使い方や注意点
「説諭」は、自分と同等または目下の者に対して、悪い点を改めるように注意を言い聞かせることを意味します。
実例としては、警察官が微罪に対し厳しく注意を与えるにとどまり、公な罪科に処さない場面などがあります。
「隣人とのトラブルに交番から警察官が駆け付け、説諭の上、双方納得で和解となった」といったニュアンスで用いることができます。
このようなケースを「説諭処分」と言います。
「説諭の上」を使う際の注意点としては、「説諭」を「せつろん」と読み間違えやすいことです。
「説諭」と「説論」は字面が酷似しているため、手書き表記する際にも十分気を付けたいところです。
実際には、「説論」はあまり使われないようですが、「小言を言うこと」という意味合いのある言葉です。
言葉の取り違いに気を配るようにしましょう。
「説諭の上」の例文
・『部下に懇々と説諭した』
・『今回の件は説諭処分とします』
・『彼の不心得には説諭が必要であろう』
「説諭」と「説教」は類似言葉ですが、「説諭」には「厳しく律する」といったニュアンスが含まれるため、「お説教」などの表現に比べ、「説諭」の方がかしこまった表現であると言えるでしょう。
「説諭の上」の言い換え
・『言い聞かせて』
・『説教によって』
・『説法により』
・『教えを受けて』
・『説明を受けて』
・『開示され』
・『注意され』
「説教」や「説法」は仏教の教えから来た言葉と言われています。
これが浸透して、日常的に用いられる言葉になった流れがあります。
「説諭」は「とても厳しく注意を受けた」という言葉であるため、単に「注意された」とは区別できるよう、シチュエーションに合わせて言葉の表現を工夫できると良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「説諭の上」は、ビジネスシーンや日常的にも活用できる言葉です。
「厳しく注意を受ける」あるいは「厳しく律する」といった場面はあまり心地よいものではありません。
しかし、その後の自分や相手の成長に大きく影響する可能性のある“ありがたい助言や機会”となる可能性があります。
「説諭」に対し反感を抱くことなく素直に受け入れられるよう、適切な言葉遣いと心のこもったコミュニケーションを意識したいものです。