この記事では、「根回し」の意味を分かりやすく説明していきます。
「根回し」とは?
「ねまわし」と読み、ことを行う前に、関係者などに了承を得ておくことをいいます。
もともとは、「根回し」は、木を移植するときに行う一連の流れのことをいいました。
小さな木なら、そのまま抜いて新しいところに植えても問題ないことが多いのですが、大きな木や、植え付けてから年数が経っている木を移植するときには、そのまま植え替えると枯れてしまうことがあります。
それを避けるために、植え替えの半年や1年前に、あらかじめまわりを掘って太い根を切っておき、新しい細かい根を出させます。
その後移植した際には、新しい根がたくさん出ていることから、根の活着がよくなり、生存率が上がります。
その「根回し」が転じて、交渉事などがうまくいくように、あらかじめ関係者などに話し合いをすることを表すようになりました。
「根回し」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
事前に、ことがうまく運ぶように準備しておくときなどに使います。
また、こっそり準備する場合に使う場合が多くなります。
例えば、一度目の会議、二度目の会議があったとして、二度目の会議に対して、一度目の会議が「根回し」とはいいません。
どちらかというと、一度目の会議の前に、関係者の中で味方になってくれそうな人を集め、話し合いをするときなどに使われます。
また、一度目にまとまらなかった話し合いを、二度目には思い通りの結果になるようにする為に、会議の前に準備することなどをいいます。
上司が部下に対して、「根回しはきちんとやったのか」などと、使います。
また、「根回しがうまい」「根回しができる」などと、使うこともあります。
正々堂々と戦わず、影でコソコソと準備をする、ズルい手だという印象を与えることがあります。
そのため、褒めているつもりで「根回しが上手ですね」と言った場合には、嫌味だと捉えられる可能性があります。
悪口とまでは言えないものの、誰かに対して使う場合には、注意が必要な言葉になります。
「根回し」を使った例文
・『わたしは、根回しや、お世辞が使えないので、出世は難しそうだ』
・『言いたいことは、全て会議で言ってしまうので、自分には根回しは必要ありません』
・『事前に根回ししておいたおかげで、会議では、すぐに合意を得られました』
「根回し」の返答や返信例
「根回し」をしたのかどうかを聞かれているときには、そのまま「しました」などと、答えます。
「根回しがうまいよね」などと言われた時には、実力はなく、立ち回りがうまいだけだと言われている可能性もあるので、相手の意図について考える必要があります。
まとめ
「根回し」という言葉は、もともと木の移植をスムーズに行うための一連の流れを指す言葉でした。
今では、事前の準備や、事前交渉の段取りについていうことが多くなっています。