この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる言葉の「わたくしども」について、その意味や使い方や言い換え等を分かりやすく説明します。
「わたくしども」とは?意味
「わたくしども」は漢字表記では「私共」で、「自分または、自分の家族や集団など」を意味する謙譲語表現です。
この言葉は「わたくし」と「ども」で構成された言葉です。
それぞれの意味等を、少し詳しく説明します。
まず「わたくし」は平安時代から使われていた言葉で、当時は公に対する私の意味で使われていました。
それが時代が下がり中世になり、女性を中心に自分を意味する一人称として使われるようになった言葉です。
現在一般的に使われている「わたし」は、この「わたくし」が音変化したものとされています。
今日では、自分を意味する一人称の代名詞として、「わたくし」はあらたまった表現として、一方の「わたし」は少しくだけた表現として使い分けられています。
次に「ども」には、「自分または自分の家族や集団などに付けて謙譲の意味を表す言葉」として、また「人を表す名詞に付けて複数人を表す言葉」として使われます。
以上のことから、「わたしども」は冒頭の意味となるのです。
「わたくしども」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「わたくしども」は先に説明した通り、「自分または、自分の家族や集団など」を意味する、あらたまった謙譲語表現です。
従って、ビジネスシーンでは「自分の所属する会社」の謙譲語表現として、しばしば使われます。
この言葉が使われるシーンとしては、マスコミを集めて広報をする場合や、取引先との交渉において自社の考え方を述べる場合や、問い合わせやクレームに対して答える場合等が、挙げられます。
「わたくしどもは、、、」や「わたくしどもといたしましては、、、」との表現で、よく使われます。
一方、日常の私的なシーンでは結婚披露宴で、新郎新婦が挨拶する際に、「わたくしども夫婦は、、」等と使われたりします。
いずれの場合も、あらたまった会話の中で使われる言葉と言えます。
「わたくしども」を使った例文
・『わたくしどもの考えは、以上ご説明申し上げた通りです』
・『この度は、わたくしども不手際により、多大なご迷惑をお掛けしたことを、お詫びいたします』
・『わたくしどもとしましては、精一杯の価格提示をいたしており、これ以上の値下げには、応じかねます』
「わたくしども」の類語や言い換え
「わたくしども」の類語としては「わたしども」や「手前ども」が挙げられます。
また自社の意味で使う場合には、「弊社」や「当方」と言い換えることも出来ます。
まとめ
「わたくしども」とは、「自分または、自分の家族や集団など」を意味する謙譲語表現です。
「わたくし」は「わたし」よりもあらたまった表現なので、「わたくしども」もあらたまった表現と言えます。