この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われるフレーズである「取り組んで参ります」について、その意味や使い方や言い換え等を分かりやすく説明します。
「取り組んで参ります」とは?意味
「取り組んで参ります」とは「熱心に事に当たっていきます」との意味の言葉です。
ここで「参ります」と漢字表記になっていますが、正しくは平仮名表記とすべきです。
漢字表記の「参ります」は、「行く」の謙譲語に、丁寧表現の「ます」が付けられた表現となり、「行きます」を意味する敬語表現として使われます。
ここで「行く」は「来る」の反対語で、移動して向かうことの意味となり、おかしな意味のフレーズとなってしまいます。
それに対して、主題の「取り組んでまいります」のように、「まいる」を助動詞として使う場合には、平仮名表記とするのが文法上は正しく、「まいる」の助動詞は、その前の動詞の「取り組む」に謙譲の意味を持たせる働きをするものです。
平仮名表記で「まいります」とした場合の「ます」も丁寧語となります。
従って、「取り組んで参ります」ではなく、「取り組んでまいります」と表記することで、「熱心に事に当たっていきます」の意味の、敬語表現となるのです。
以降では、正しい表記の「取り組んでまいります」を使って説明を続けます。
「取り組んでまいります」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでは、経営方針で企業活動の方向性やそのための重要な施策を経営トップが示しますが、その際に施策を提示し、「取り組んでまいります」と、しばしば使われます。
また経営方針で示される企業の課題や施策ほど、大きなものではなくても、ビジネスでは常に問題や課題に対処し、対策を講じる必要に迫られます。
そんな時にも、対策や対処方法を示し「取り組んでまいります」と使われます。
すなわち、ビジネスにおいては、ものごとに真正面から向き合い、問題や課題に対処したり対策する際に、その意思表明や説明で「取り組んでまいります」のフレーズが使われると言えます。
「取り組んでまいります」を使った例文
・『当社では、顧客第一をさらに徹底すべく取り組んでまいります』
・『事業拡大に向けて、中核事業の周辺事業への展開に取り組んでまいります』
・『今後、こうしたミスを繰り返さないように、社員教育に一層取り組んでまいります』
「取り組んでまいります」の類語や言い換え
「取り組む」の類語としては「推進する」や「実行する」や「事に当たる」等が挙げられます。
従って「取り組んでまいります」は、「推進してまいります」や「実行してまいります」や「事に当たってまいります」と言い換えることが出来ます。
まとめ
主題の「取り組んで参ります」の表記は誤りで、正しくは、「取り組んでまいります」と表記すべきです。
そして正しい表記の意味は、「熱心に事に当たっていきます」で、その敬語表現のフレーズです。