「きっかけ」とは具体的に何を意味する言葉なのでしょうか。
今回は、「きっかけ」の意味と類語について解説します。
「きっかけ」とは?
「きっかけ」とは、「物事の始まりにつながる出来事」を意味する言葉です。
「きっかけ」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「きっかけ」は漢字で「切っ掛け」と書きます。
由来については諸説ありますが戦いを始めるときに相手に対し「切り掛かる」ところから戦いの始まりを「切っ掛け」と呼ぶようになり、そこから転じて物事が始まる原因につながる出来事のことを「きっかけ」と呼ぶようになったという説が伝えられています。
「きっかけ」は舞台用語に由来するという説も有力です。
歌舞伎では役者が出入りするタイミングや音楽や照明の変化を支持する合図として特定の動作やセリフを指定します。
例えば「しばらく」というセリフとともに音楽がスタートしたり役者が舞台に入ってきたりするときは「しばらく」が周囲の人にとっての「きっかけ」にあたります。
歌舞伎では舞台上の動作として「見得を切る」「足で駆ける」という表現が用いられますが、切ったり掛けたりする瞬間を指示するところから動作を促す合図を「きっかけ」と呼ぶようになりその後歌舞伎以外にも広まったとされています。
「きっかけ」というのは「物事の始まりを引き起こす出来事」であり、始まる物事とは直接的なつながりのない動作を促す合図や決断させた言葉などまったく無関係のものが「きっかけ」になることもあります。
ビジネスの世界では「きっかけ」は「動機付け」に近い意味合いで使われる言葉です。
人の言葉により心が動かされたり活躍する姿を見て行動を決意したりなど、「人のやる気を生み出すような出来事」を指して「きっかけ」と呼んでいます。
どのような場合においても「きっかけ」その物は大して重要ではありません。
人に影響を受けたりも新たな世界を知ったりなどさまざまな「きっかけ」がありますが、「きっかけ」とされる人や物事には周囲に影響を与えようという自覚はなく、多くの場合本来の目的とは異なる副次的作用として発生しているに過ぎません。
体験会やワークショップなどそれそのものが「きっかけ」を作ることを目的にしているケースもありますが、まったく予想もしていない形で「きっかけ」が生まれることを考えるとそれらが例外的な存在です。
「きっかけ」を使った例文
・『ワールドカップで日本人選手が優勝した姿を見たのが競技を始めたきっかけです』
・『どんなきっかけであろうと実際にやってみることが重要である』
・『人生は何がきっかけでどんなことが起こるのか予想もつかない』
「きっかけ」の類語や言いかえ
・手がかり
「手をかけて体を上に引き上げる出っ張りのようにその後に続く物事の始まりになる出来事」を意味する言葉です。
物事の始まりにあたるちょっとした部分を指す言葉であり「きっかけ」よりもさらに具体的で物事に続く直接的な連続性を有するものを表します。
まとめ
「きっかけ」は日常生活でも使われる身近な言葉ですが、あまりにも身近すぎるためにあらためて意味を考える機会はほとんどありません。
本来の意味を平易な言葉で説明するのがかなり難しい特別なニュアンスを含む言葉なので誤解されないよう正しい使い方を意識してください。