「俗に言う」とはどのような意味の言葉なのでしょうか。
今回は、「俗に言う」の意味と類似表現について解説します。
「俗に言う」とは?意味
「俗に言う」とは、「一般的に言われているところの」という意味の言葉です。
「俗に言う」の概要
「俗に言う」の「俗」は「俗世間」を意味します。
「俗世間」とは「特別性や希少性を持たない世間一般」を指す言葉です。
本来は仏の道である仏門以外の世界を指す言葉でしたが現在では「一般の人々が暮らす特別なところのない普通の社会」を指します。
「俗に言う」というのは「俗世間で言うところの」という意味ですがより詳しくいうと「特別に言わなければ」という特殊性を排除する意味合いを持ちます。
「高貴な社会や特別な業界では別の言い方がされているが世間一般ではこう言われている」のが「俗に言う」であり、余計な気遣いや配慮などがない飾らない率直の物言いに対して使われます。
言葉には正式な言い方や正しい名称とは別に通称や別称を持つ言葉がありますが、そのような複数の呼び方を持つ言葉のうち「世間一般で使われている呼び方」を「俗に言う」と表現します。
例えばスピード違反取締りに用いられる専用の速度計測装置として「オービス」がありますがこの装置は「ネズミ捕り」と俗に言われています。
「俗に言う」という言葉に口汚い表現や下品な言葉という意味はありません。
「俗」という言葉には「清廉潔白ではない」という意味もありますが、「俗に言う」と場合は「世間一般」の意味で使われています。
「俗に言う」の中にはスラング的なあまり上品ではない表現も含まれますがそうではないごく当たり前の言葉も含まれているので品がないと判断するのは誤りです。
「俗に言う」の言葉の使い方や使われ方
・『やめた理由はリストラ、俗に言う首切りだ』
・『我が家は俗に言う成金である』
・『彼は金持ちの息子、俗に言うボンボンだ』
・『あの車両が俗に言うドクターイエローである』
「俗に言う」の類語や言いかえ
・平たく言う
「難解な言葉を使わず平易な言葉で表現する」という意味の言葉です。
専門用語や特殊な表現を使わず一般的に用いられる言葉のみを使うという点が「俗に言う」と共通しています。
・いわゆる
「よく言われているところの」という意味の言葉です。
難しい内容を簡単な言葉で表現するときに用いられる言葉で説明や解説のときによく使われます。
・俗称
「俗に使われている名称」を意味する言葉です。
世間一般に広まっている正式な名称ではない呼び方を指す言葉で「通称」や「あだな」と似たような意味合いで使われます。
まとめ
「俗に言う」という言葉は使い方が難しいものの、上手に使いこなせるようになると日本語表現の巧みさが際立ちます。
ビジネスでも使いこなすと一目置かれるので正しい意味を理解してきちんと使えるようになりましょう。