人が持つとされる「人徳」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
今回は、「人徳」の意味と類語について解説します。
「人徳」とは?
「人徳」とは、「人が持つ人としての素晴らしさ」を意味する言葉です。
「人徳」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「人徳」とは「人が持つ徳」を意味します。
「徳」とは古代中国の思想で重視される考え方のひとつで「善い行いや善い行いによて積み上げられる人としての立派さ」です。
より具体的にいうと「仁・義・礼・忠・智・信・孝・悌」という「人としてすべき善行や善行を重ねて磨き上げられる人としての素晴らしさ」を「人徳」と呼んでいます。
簡単にいうと「品性」「気品」「高潔さ」など精神的な気高さや魂の誇り高さが「人徳」であり、人を引きつける魅力として発揮されたり自然に周囲から尊敬を集めたりなど形を持たない力として発揮される「人としてこうありたいと思う理想に近い行動をとることで身につく魂の位」が「人徳」にあたります。
「人徳」が高い人は周囲からの信頼が厚く言葉の重みが増したりありがたがられたりします。
反対に「人徳」が低い人はなかなか信用してもらえず悪く言われたり困ったときに助けてもらえなかったりなど人との結びつきが弱く孤立してしまいます。
ビジネスの世界では「人徳」という言葉を「信頼性」や「人柄の良さ」という意味で使います。
「あの人は人徳がある」という場合人から頼られたり話すことを信用してもらえたり力を貸してくれる人が多かったりなど、人として信用されていることで普通の人にはない周囲からの助力や説得力などを持ち合わせます。
一般的に「人徳」は善行つまりいいことを積極的にやることで積んでいくものとされています。
人が嫌がる作業を積極的に受け持ったり困っている人に救いの手を差し伸べたりものを大切にしたりなど、見返りを求めることなく善行を重ねることで魂が磨かれ自然に身につくのが「人徳」です。
はっきりとした形があるものではなく自分自身の力だけでは変えられないのが「人徳」なので身につけようと思って習得できるものではありません。
日頃から善い行い、正しいふるまいを心がけることで少しずつ積み上げられていくのが「人徳」なので近道はなく長年かけて築き上げていくものです。
「人徳」を使った例文
・『すぐに信用してもらえたのは彼の人徳のおかげだ』
・『人徳がないので選挙に勝つのは難しい』
・『金も力もあるが人徳はないので支援者はほとんどいない』
「人徳」の類語や言いかえ
・人望
「人から望まれ頼りに思われること」を意味する言葉です。
「人徳」が個人の持つ立派さや素晴らしさを表すのに対し、こちらは周囲の人から立派な人だと思われることを指します。
まとめ
「人徳」というのは曖昧な部分を多く含む抽象的な表元なので同じ意味で使っているつもりでも人により解釈が異なる可能性があります。
誤解を招かないように正しい意味を理解した上で使いましょう。