ビジネスで使われる「合理的」とは具体的になにを指しているのでしょうか。
今回は、「合理的」の意味と類語について解説します。
「合理的」とは?
「合理的」とは、「論理に整合性があり筋が通っているさま」を意味する言葉です。
「合理的」の使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスの世界では「合理的」が「無駄がない」「効率がいい」という意味で使われています。
このような意味も間違いではありませんが本来の「合理的」は「論理的整合性があること」を意味しています。
正しいとされる事実や自称を積み上げて道筋を立てていくことを「論理」といいます。
「合理的」は「論理が理にかなっていて間違っていないこと」を表すので言葉の意味をそのまま解釈すると「どのような場合であっても評価が変わらない誰もが納得のいく正当性」が「合理的」のいみあいになりますが、現実的にはそうと限りません。
現実の世界ではビジネスや立場によって価値観が変化します。
ある場面では「合理的」とされるものでは他の場面では「合理的」出ないとされることも多く、絶対普遍の合理性は存在しません。
例えば犯罪を抑止するという観点からすると「万引き犯は即射殺」という考えは「合理的」ですが人名尊重や人権の観点からするととても乱暴でまったく「合理的」ではありません。
このようになにを持って「合理的」とするのか、その基準は常に変化します。
ビジネスの世界では利益の追及を再優先するのが共通の価値観なので「合理的」というと「損が少なく得の多い」ことに直結しますが、このような価値観はビジネスそれも資本主義や自由主義の価値観で営まれるビジネスに限定されるものです。
世間には損だが付き合いがあるから取引する、もっと高く売れるがお客様に喜んでもらうために安く売るといったようなビジネス的「合理的」に反する商売も見られます。
「合理的」であるかどうかを「合理的」に解釈するのは非常に難しく時として思い込みや一方的な価値観に陥る可能性もあるので注意が必要です。
「合理的」を使った例文
・『まとめ買いせず必要になるたびに買いに行くのは合理的ではない』
・『合理的に考えれば負採算店舗を閉店すべきという結論になる』
・『合理的に作られた事務机』
「合理的」の類語や言いかえ
・妥当
「そうであるのがちょうどよいこと」を意味する言葉です。
前提条件から必然的に導き出される過不足のない結果を指す言葉で「合理的」が強い主張を含む言葉であるのに対し、こちらは他にないのでそうなったというような消極的なニュアンスを含みます。
・機能的
「機能に優れているさま」を意味する言葉です。
機能を再優先し無駄を省いたさまを指す言葉でビジネス用語としての「合理的」に近しい意味合いです。
まとめ
「合理的」は日常会話でもビジネス用語としても使われるありふれた言葉ですが、使う人や場面により基準が変わります。
どのような意味で使っているのかただしく理解しておかないと誤解につながるので注意してください。