「一括りに言っても」という言葉はどのような意味で使われるのでしょうか。
今回は、「一括りに言っても」の意味と類語について解説します。
「一括りに言っても」とは?
「一括りに言っても」とは、「全部まとめて言ったとしても」という意味で使われる言葉です。
「一括りに言っても」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「一括りに言っても」の「一括り」には「まとめて取り扱う」という意味があります。
「一括り」は「ひとつに括ること」であり、「括る」は「まとめてひもなどで縛り上げること」を表します。
つまり「本来は別々のものであるのに個別のものとして扱うことなくひもでまとめて縛り上げるように同じものとして処理する」のが「一括り」であり、「一括りに言っても」とは「個別にいうのではなくまとめて言うこと」を指す表現です。
一般的に「一括りに言っても」という表現が用いられるのは「まったく同じではないがいくつかの共通点があるものまとめて一つのものとして言及するとき」です。
例えば、アンパンやクリームパン、ジャムパンやチョコパンはそれぞれ中身が異なる別々のパンですがすべて甘くお菓子のようであることから菓子パンと一括りに言えます。
この場合はそれぞれ個別に見てもあんこの味わいが楽しめたりジャムの風味が堪能できたりなどおいしいパンですが「一括りに言っても」甘くて美味しい菓子パンであると表現できます。
「一括りに言っても」というのは本来別々に扱うべきものをひとまとめにして処理しているためやや乱暴な印象がある言葉です。
形の違うものや性質の異なる物動詞を無理にまとめて縛り上げることで同じものとして扱っている状況を指しており、大雑把に話をするときには便利ですが細かい事情について言及する場合にはふさわしくありません。
事情の異なる物動詞をまとめて「一括りに言っても」と扱ってしまうことで個別の事情が打ち消されてしまう可能性があるため「一括り」にしてもいいのかどうか、慎重に見極める必要があります。
「一括りに言っても」を使った例文
・『利益があると一括りに一括りに言ってもっても具体的にどのような利益なのかはそれぞれ異なる』
・『ブランド牛と一括りに一括りに言ってもっても超高級品からお手頃な価格のものまでいろいろな種類がある』
「一括りに言っても」の類語や言いかえ
・一口に言っても
「物事を単純な要素にまとめて言ったとしても」という意味を持つ言葉です。
単純化された説明では説明しきれない要素があることを意味する表現であり、簡単に言ってはいるがその裏にはもっと複雑で細かい事情や個性があるときに用いられます。
「菓子パンと一口に言ってもアンパンやジャムパンなど種類はさまざまだ」といったように具体的な事例を上げて単純な言葉の裏にある複雑なものを説明するときに使います。
まとめ
「一括りに言っても」という表現は日常会話ではあまり使いませんがビジネスの現場では非それなりに使われます。
曖昧さを含む表元なのでなにを指しどのような意味合いで使われるのかをしっかり理解しておかないと誤解を招きかねません。
言葉の意味を知って使いこなせるようになりましょう。