この記事では、日常会話やビジネスでしばしば使われる慣用句の「心ばかりですが」について、その意味や使用例などを分かりやすく説明します。
「心ばかりですが」とは?意味
「心ばかり」における「ばかり」は、「~だけ」や「~のみ」という意味を持つ言葉です。
従って「心ばかりですが」とは「ほんのわずかな気持ちだけですが」という意味になります。
この「心ばかりですが」の慣用句は、贈り物を渡す際に、「高価なものではないので、気を遣わずに受け取ってください」と言う謙遜の気持ちを込めて使われる言葉です。
この「心ばかりですが」と同じシーンで使われる似た言葉としては、「ささやかでございますが」や、「つまらないものですが」や、「ほんの気持ちですが」などがあります。
また、贈答品の熨斗に「寸志」と書かれているのも、同じ意味を表現したものです。
「心ばかりですが」の上司や目上に使うときの注意点
「心ばかりですが」は、前項で記載した様に、自分が贈り物を渡す際に、謙遜して使う言葉であり、目上の人や取引先にも使える言葉です。
もちろん、この慣用句は謙遜して使う言葉ですので、自分が贈り物を受け取った場合に、『心ばかりの品、本当にありがとうございます』などとは使えません。
またこの言葉は、本当に高価な品物を贈る際に使うと、嫌味に取られることもあるので、ごく日常的な贈り物の場合に使うべきです。
さらに、何か品物を贈るのは、慶事の場合だけでなく、謝罪の気持ちを示すために贈ることもあります。
こうしたケースでは、最初にしっかりと謝罪し、その上で『心ばかりですが、お納めください』などと使うべきです。
「心ばかりですが」を使った例文
・『心ばかりですが、昇進のお祝いの品をお受け取りください』
・『心ばかりですが、アメリカ出張のお土産です。職場の皆さんでご賞味ください』
・『心ばかりですが、お子様の進学祝いの品です。ぜひお子様にお使いいただければと存じます』
「心ばかりですが」の返答や返信例
「心ばかりですが」の言葉を添えて品物を差し出された際には、感謝の気持ちを示す返答をして、まずありがたく受け取るのがマナーです。
その上で、相手と再会した場合に、頂いた品物がお菓子等の場合なら、『先日はありがとうございます。
家族で美味しく頂きました』と再度お礼の言葉を伝えるのが良いでしょう。
郵送されてきた場合は、電話やはがきで、品物を受け取ったことと、お礼の言葉を伝えるのが、当然マナーです。
また、何かの贈り物を受け取った際には、お返しすべきか否かで悩むことも少なくないでしょう。
「心ばかりですが」の言葉を添えて贈られた場合には、お返しは不要だと言う方も居られます。
しかし、これは間違った意見だと言えます。
お中元やお歳暮の場合には、お返しするのが通例ですし、慶事の場合にも内祝いとしてお返しするのが一般的です。
ただし、謝罪の意味で贈られた場合には、お返しは不要でしょう。
まとめ
「心ばかりですが」とは「ほんのわずかな気持ちだけですが」という意味の慣用句で、何か品物を贈る際に使われる言葉です。