みなさんは、ビジネスシーンで「足元にご注意下さい」という言葉を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えについて詳しく解説していきます。
「足元にご注意下さい」の意味とは?
「足元に」とは、「立っている足の下周り」という意味があります。
「ご注意」は「用心、気を配る」という意味で、丁寧表現の接頭語「ご」を付けた言い方です。
「ください」は、「くれ」を丁寧にした言葉になります。
つまり「足元にご注意下さい」は、「立っている足下周りに危険があるかも知れないので、用心してほしい」という時に、よく使われている言葉です。
「足元にご注意下さい」の使い方と注意点
特に、雨の日など足元が滑りやすい時に、駅のホームやバス亭などでアナウンスされるフレーズです。
敬語表現としては「ご注意」と「下さい」の丁寧表現しかありません。
目上の相手に対して失礼にあたるかどうかが、気になるところです。
注意を呼び掛ける場合、“短く的確に”伝える工夫が必要です。
もし、危険が迫っているにも関わらず、「みなさまの、お足元に、ご注意くださいますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます」などと言っていては、危険回避が間に合いません。
ですから、「足元にご注意下さい」は、敬語表現が乏しいように感じますが、過剰な表現はむしろ必要なしと言えるでしょう。
また、ビジネスシーンにおいては、相手の足元に気を配り、転んでケガなどしないように、“思いやりの言葉”として活用できます。
安全と注意を促す言葉ですから、過度な敬語表現は必要なく、このままの言い方で目上の相手に対して使うことができます。
「足元にご注意下さい」の言い換え
ビジネスシーンで、「足元にご注意下さい」を使いこなすための工夫を、いくつか例を見ながら考えてみましょう。
・「お足元にご注意くださいませ」
「お足元」は、丁寧表現の接頭語「お」を付けた言い方です。
「くださいませ」は、相手に行動をお願いする時に使う丁寧な言葉です。
ですから、ビジネスシーンをはじめ様々な場面で使うことができる言い方です。
但し、敬語表現を付け足せば、その分、言葉数が増えて回りくどい言い方になるケースもあります。
注意を促す言葉は、分かりやすくシンプルになるよう工夫できると良いでしょう。
・「足元をすくわれる思いがした」
油断をしていると良くないことが起こる、といったニュアンスの言葉としてよく使われるフレーズですが、実は、この場合は「足元」ではなく「足」を使うのが正解です。
「足元に注意する」という表現は似ていますが、こちらは「心の油断」を「足元の危険」に置き換えて表現した言葉です。
覚えておくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「足元にご注意下さい」は、日常的にとてもよく耳にする言葉です。
ビジネス用語や敬語の学習をしていると、丁寧にしようとするあまり、回りくどい表現になりがちです。
しかし、「足元にご注意下さい」のように、シンプルな表現が相応しい言葉もあることが分かります。
ぜひ参考になさってください。