この記事では、ビジネスの場でも使われる慣用句の「奇遇ですね」について分かりやすく説明します。
「奇遇ですね」とは?意味
「奇遇ですね」の読みは「きぐうですね」で、「不思議な巡り合わせや、思いがけない出会いですね」の意味です。
この慣用句の「奇遇」は、「思いもよらなかったことや、予想外」の意味を持つ「奇」と、「思いがけずに会うこと」の意味を持つ「遇」で構成される熟語で、「不思議な巡り合わせや、思いがけない出会い」を意味する言葉です。
従って、「奇遇ですね」は「不思議な巡り合わせや、思いがけない出会い」をした時に、驚きと共に発する慣用句です。
「奇遇ですね」の慣用句は、上記のことから、思いがけない所で、自分と知った人が出会った時や、自分と知己を得た人が、同じ出身地であったりした場合に使われる言葉です。
すなわち、人対人の関係にのみ使われる言葉なのです。
従って、例えば自分と他の人が、たまたま同じ品物を持っていることが分かっても、「奇遇ですね」と使うのは誤りです。
この誤用は、しばしば見受けられるので、注意が必要です。
また、この「奇遇」に似た言葉として「偶然」がありますが、こちらは単に「予測していないことが起こること」を指す言葉で、「奇遇」の「遇」が持つ意味である「不思議な巡り合わせや、思いがけない出会い」の意味合いは全くありません。
従って、先に「奇遇」の言葉を使うのは間違いだとした、同じ品物を持っていた場合の表現には、「偶然ですね」を使えば良いことになります。
「奇遇ですね」の上司や目上に使うときの注意点
「奇遇ですね」の意味は前項で記載した通りですが、この言葉には敬語表現は含まれていません。
従って、この慣用句を目上の人に使うのは、失礼だと言う方も少なくありません。
もちろん、思わぬ所で目上の人に合って、驚きながら言葉を発する時に、敬語表現を意識することは難しいこともあり、「奇遇ですね」と使っても、その前後に交わす会話を、しっかりと敬語表現とすれば、許される範囲だと思います。
しかし、失礼だと考える人もおられるので、できれば「こんな所でお会いするとは、本当に驚きました」と言い換えると良いかも知れません。
「奇遇ですね」を使った例文
・『こんな所で、卒業して20年も経って会えるとは、本当に奇遇ですね』
・『顔見知りの競合会社の営業マンと、飛行機が同じ便となり、思わず奇遇ですねと声を掛けました』
・『東北の営業所に、同じ香川県出身者がいるなんて、奇遇以外の何ものでもありません』
「奇遇ですね」の返答や返信例
「奇遇ですね」と思わぬ所で知人などに会って声を掛けられた場合、「ですね」と同意を求める表現が使われているので、仮に声を掛けられた自分に、驚きがなくても、「本当ですね」や「私も驚きました」と同意する形で返答するのが良いと言えます。
まとめ
「奇遇ですね」の読みは「きぐうですね」で、「不思議な巡り合わせや、思いがけない出会いですね」を意味する慣用句です。