みなさんは、ビジネスシーンで「そもそも」という言葉を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えについて詳しく解説していきます。
「そもそも」の意味とは?
「そもそも」は、「抑々(そもそも)」が語源と言われています。
その後に「其れも(それも)」を重ねた形へと派生していった流れのようです。
「そもそも〇〇は~」というニュアンスで、話の冒頭にその元になる事柄や定義が示されることから、「ことの始まり、ことの起こり」といった意味合いがあります。
この言葉に関連する言い方で、「其れも其のはず(それもそのはず)」という言葉があります。
「其れ」の文字が重なっていることから、「それもそのはず、元を正せば」のように、「そもそも」と同様の意味合いがあることが分かります。
「そもそも」の使い方と注意点
「そもそも」は、「元はと言えば」というニュアンスでよく使われています。
ビジネスシーンにおいて、目の前の問題や課題に対して、原因や要因を探る過程で、「この問題の根本は、そもそも〇〇にあるのではないか」というポイントに到達できると、解決に向けた糸口として、議論が前に進むきっかけになります。
但し、注意しなければいけない点は、「そもそも」を使うタイミングが好ましくないケースが多いことです。
例えば、ここまで時間と労力をかけて議論とアイデアを構築して、いよいよ大詰めとなってきたタイミングで、「っていうか、そもそも」と議論を振り出しに戻す意見をするケースをよく見かけます。
「これまで積み上げてきた思考や分析は何だったのか?」となってしまい、議論がストップしてしまう可能性があることを、覚えておくと良いでしょう。
「そもそも」の言い換え
ビジネスシーンで、「そもそも」を使いこなすには、どのような言い回しや言い換えが相応しいか、いくつか例を見ながら考えてみましょう。
・「そこは考えなくても良いと思います」
議論をしていると、質問や課題の投げかけに対し、高圧的な意見を述べるシーンを見ることがあります。
「この点については、いかがでしょうか?」
「それは、そもそも〇〇だから」
このような言い方をしてしまうと、話が続かなくなってしまい、膨らみかけたアイデアや思考が途切れてしまう恐れがあります。
こういう時に使えるのが、「そこは考えなくても良いと思います」です。
「前提として定義された事柄は確認が取れているので、深く追求する必要はありません」と促す言い方に置き換えるだけで、質問者も安心して次を考えることが出来るわけです。
・「この問題は、当初から想定されていましたか?」
「そもそも」を「当初から」と言い換えた言い回しです。
「そもそも、この問題が起きることぐらい分かったはずだ」という表現よりも、「取り組みの過程で見えなかったものが見えてきた」と考える方が、“議論の巻き戻し”にならずに、建設的な意見を促す流れに出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「そもそも」は、「もともとは、始まりは」といったニュアンスの言葉です。
前提条件や定義付けに対して、「そもそもこのような始まりだった」ということを伝える時に使う言葉です。
ですから、ビジネスシーンにおいて「いよいよ議論の結論が出る」というタイミングで、目上の上司などに「でも、これはそもそも〇〇ですが」などと使うことは避けるべきです。
むしろ、議論の始まりの段階で、「そもそも〇〇であったはずだから、こうであるべき」という状況を共通の認識として確認する際に使うと、スマートな使い方として生かせるのではないでしょうか。