この記事では、ビジネスシーンで使われることが多いフレーズの「懸案となっておりました」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「懸案となっておりました」とは?意味
「懸案となっておりました」において、キーとなる言葉の「懸案」について、最初に説明します。
「懸案」の読みは「けんあん」で、「解決を迫られながら、解決できずにいる問題」や「前々から問題になっていながら、まだ解決されていない事柄」を意味する言葉です。
また次の「なっておりました」の「おる」は「いる」の丁寧な表現で、「なっていました」のより丁寧な表現と言えます。
従って、「懸案となっておりました」は「解決を迫られながら、解決できずに、問題になっていました」と言った意味の非常に丁寧な表現です。
「懸案となっておりました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「懸案となっておりました」のフレーズで注意すべきは、「懸案」は解決できずに少し困っている程度の問題ではなく、長らく悩み苦しんでいる様な問題を指して使われる点です。
この表現は、日常会話で使われることは少なく、国や地方自治体において、長く問題視されながら、可決できずにそのままになっていたことに対して、何らかの変化や解決が見られた際に、発表される文章やスピーチやニュース記事などのシチュエーションで使われることが多い表現です。
一般の会社等においても、社内や社外に公式に発表する際に使われることのある表現です。
「懸案」が先に記した通り、非常に解決が困難な問題に対して使われる言葉であり、またこの表現は非常に硬い表現なので、ちょっとした問題に対して頻繁に使うべき表現ではありません。
「懸案となっておりました」を使った例文
・『長年の懸案となっておりました工場移転問題は、労使間でようやく合意に至りました』
・『かねてから懸案となっておりました築地から豊洲への市場移転は完了し、ようやく落ち着きを取り戻しています』
・『福島原発の事故以降、懸案となっておりました原子力発電の再稼働は、電力不足から早期に結論を出す必要性が高まっています』
「懸案となっておりました」の類語や言い換え
ニュアンスはそれぞれ異なりますが、「懸案」の類語としては、「懸念」や「課題」や「危惧」や「憂慮」等が挙げられます。
従って、「懸案となっておりました」における「懸案」をこれらの類語に置き換えることで、言い換えることが可能です。
まとめ
「懸案となっておりました」は「解決を迫られながら、解決できずに、問題になっていました」と言った意味の丁寧で少し硬い表現です。
このフレーズは、解決できずに少し困っている程度の問題ではなく、長らく悩み苦しんでいる様な問題を指して使われる点がポイントと言えます。