この記事では、ビジネスでよく使われる「弊行」の熟語について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「弊行」とは?意味
「弊行」の読みは「へいこう」で「自分が勤務する銀行」を遜って表現する言葉です。
この熟語における「弊」の漢字の音読みは「へい」で、訓読みは「ついえる」で、意味としては「弊衣」の熟語で使われている「物が破れてぼろぼろになること」や、「疲弊」で使われている「からだがぐったりとなること」や、「弊害・悪弊・語弊」等の熟語で使われている「たるんで生じた害のこと」や、この主題の「弊行」の他「弊社・弊店」など、「自分に関係することに付けて謙遜を示す」語としての意味を持っています。
また、「行」の漢字の方は、「銀行」を意味しています。
従って、「弊行」は冒頭の意味となるのです。
「弊行」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「弊行」における「行」は先に「銀行」を意味すると記しましたが、その銀行としては「都市銀行」、「地方銀行」、「信託銀行」、「信用金庫」など、銀行機能を持つ金融機関に対して広く使われます。
この「弊行」と同様に、「自分が所属する銀行」を表現する言葉とし「当行」があります。
この熟語は、「弊行」よりも謙遜するニュアンスが非常に低くなります。
従って、ビジネスにおいては、「当行」よりも「弊行」を使った方が良い様に思われます。
しかし、近年は「弊行」よりも「当行」の方が、広く使われています。
この理由としては、謙遜するのは良いのですが、先に説明した「弊」の漢字が持つ意味が余りにもネガティブであり、お客様にPRする必要もある自分の所属する銀行に対して使うのは、少々不適切なのではと言う考え方があるからだと考えられます。
結論としては、一般的なシチュエーションでは「当行」を使い、トラブル等で謝罪する必要があるような際に限定して「弊行」と使うと言う使い分けが良いのかも知れません。
「弊行」を使った例文
・『弊行の預金金利は市場よりも高く設定しております』
・『弊行の住宅ローン金利は、市場での最低水準を維持しています』
・『弊行ではユニークな預金商品も販売していますので、一度ご検討いただければと思います』
「弊行」の類語
「弊行」の類語通しては、「当行」や「わが行」等が挙げられます。
まとめ
「弊行」の読みは「へいこう」で「自分が勤務する銀行」を遜って表現する言葉、すなわち謙譲語です。
お客様に使う言葉としては謙譲語の「弊行」を使う方が一般的には良いと思われます。
しかし、「弊」の漢字のニュアンスが余りにも良くないので、最近では「弊行」よりも「当行」の方がよく使われています。