この記事では、ビジネスにおいてもよく使われる表現の「一任しております」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「一任しております」とは?意味
「一任しております」のフレーズを、構成している言葉毎に分解して、少し詳しく説明します。
まず「一任する」の読みは、言うまでもなく「いちにんする」で、「すべてを任せるや、すっかり任せる」との意味の言葉です。
また、「おります」は丁寧語の「います」の謙譲語表現です。
従って、「一任しております」とは「すべてを任せています」との意味の謙譲語表現です。
「一任しております」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「一任する」との言葉には、上司などの目上の人が部下など目下の人に仕事を任せる意味で使われる表現です。
にもかかわらず、首題の「一任しております」は先に記載した通り、謙譲語表現です。
これには疑問を感じられる方もおられるでしょう。
実はこの表現は、部下に一任していることを、第三者である目上の人に伝える際に使われる、少し限定的な表現なのです。
例えば、取引先の方との商談などで、上司が先方に挨拶し、概要をほんの少し紹介し、「○○に一任しておりますので、ご興味があれば詳細は、○○とご相談ください」等と使われるのです。
また、この「一任しています」や「一任しております」を使う際に、「すべて」を付けて「すべて一任しています」や「すべて一任しております」と表現される方がおられますが、これは「頭が頭痛」と同様の「重言」や「二重表現」に当たり、間違いです。
先に意味を説明した通り、「一任する」は「すべてを任せる」で、「すべて」の意味が含まれているからです。
この点は間違い易いので注意が必要です。
「一任しております」を使った例文
・『前向きなご検討ありがとうございます。この件は、○○君に一任しておりますので、詳細は彼とご相談ください』
・『部下に一任しておりますで、上司と言えども、私が口を挟むのは可能な限り控えています』
・『部下に一任しておりますが、進捗状況等はご迷惑を掛けないように、もちろん定期的にチェックしています』
「一任しております」の類語や言い換え
「一任する」の類語としては、「すべて任せる」や「すべて託す」や「すべて頼む」等が挙げられます。
従って「一任しております」は、「すべて任せております」や「すべて託しております」や「すべて頼んでおります」と言い換えることが出来ます。
まとめ
「一任しております」とは「すべてを任せています」との意味の謙譲語表現です。
この表現は、部下に一任していることを、第三者である目上の人に伝える際に使われる、少し限定的な表現と言えます。