「腹心の友」とはどのような友を指すのでしょうか。
今回は、「腹心の友」の意味と類似表現について解説します。
「腹心の友」とは?
「腹心の友」とは、「心を許せる本当の友」を意味する言葉です。
「腹心の友」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「腹心の友」の「腹心」はもともと「体の中心」を意味する言葉でした。
そこから転じて「体の奥深い真ん中の部分」を意味するようになり「普通なら見えない考えや意識の根幹部分までさらけ出すこと」という意味で使われるようになります。
「腹心の友」という場合は「腹に一切含むところがなく全てをさらけ出しあえる友」を意味しており簡単にいえば「心から信頼できる友達」です。
一般的に「腹心の友」という場合は単なる仲の良さや親しさではなく「人生の苦楽を共にし、まるで自分の半身であるかと思えるほど心の奥底で深いつながりを持つ友」を指します。
ちょっとやそっとの友達では「腹心の友」とは表現しません。
一生にひとり出会えるかどうかというほど心で結ばれた本当の友が「腹心の友」です。
心の深い部分で結びつく「腹心の友」は一切気を使う必要がありません。
隠し事をする必要もなくすべてについて共に分かち合いたいと思える相手であり親や兄弟など血のつながりによる結びつきをも超える強固な関係性を表します。
一生を共にする相手といえば普通は「配偶者」を指しますが、「腹心の友」はある意味で配偶者よりも希少でかけがえのない存在です。
夫や妻には言えないことも「腹心の友」に話せる、相談できるような信頼関係で結ばれています。
「腹心の友」という言葉は英語の「bosom friend」に由来するといわれています。
「bosom friend」とは英語で「親しい友人」を意味しますが「bosom」という単語には「親しい」の他に名詞で「胸」「乳房」「愛」という意味があります。
現代風に訳すなら「ハートとハートで結ばれた友」と言った意味合いを持つ言葉ですが、モンゴメリが書いた文学の名作「赤毛のアン」の日本語訳で「bosom friend」が「腹心の友」と翻訳されたことでこの言葉が広まったという説が有力です。
「腹心の友」を使った例文
・『彼は私にとっての腹心の友である』
・『腹心の友に出会えたのが何よりの喜びだ』
・『信頼していた腹心の友に裏切られる』
「腹心の友」の類語や言いかえ
・腹心の部下
「心から信頼している配下の人間」という意味の言葉です。
「腹心の友」という場合は自分が心から信頼している様子を強調しているのに対し、こちらは自分の信頼に対して部下が忠誠を返す様子を表します。
まとめ
「腹心の友」は現代ではあまり使われない表現ですがビジネスや文学などの一部で使われています。
ちょっとやそっとのことでは切れないきずなの強さを含む表現なので軽はずみに使うべきではありません。
言葉の意味を知って正しく使いましょう。