「喧嘩両成敗」とは?慣用句やビジネスでも使える言葉を分かりやすく解釈

「喧嘩両成敗」とは? ビジネス用語【一語】

「喧嘩両成敗」とは何を意味する言葉なのでしょうか。

今回は、「喧嘩両成敗」の意味と類似表現について解説します。

「喧嘩両成敗」とは?

「喧嘩両成敗」とは、「もめごとを起こしたものは理由や原因に関わらず双方とも同じように処分すること」を意味する言葉です。

「喧嘩両成敗」の使い方や使われ方、使うときの注意点

もともとは中性の日本に見られる考え方で、当時の人達にとっては当然とされる法原則でした。

中性の日本では現代とは異なりきちんとした裁判制度がなく、もめごとが起きたときは支配者による一方的な判断で処罰がくだされていました。

法律があれば罪に対する処罰の重さがあらかじめ規定されていますが当時の裁きでは支配者の気分次第で処罰が決まります。

支配者としても処罰を下すにあたってはペナルティだけでなく抑止効果も考える必要があり適切な処罰を下すのは難題です。

現代的な考え方ではトラブルが起きた場合原因となったものが処罰を受けるのが当然ですが、中性的な考え方ではどのような理由があろうとももめごとを起こしたら責任は免れないという考えが一般的でした。

そのような考え方に基づいて誕生したのが「喧嘩両成敗」です。

「喧嘩両成敗」は簡単にいえば「喧嘩をしたらどんな理由があろうとも双方を成敗する」という考え方を指します。

理由や責任とは無関係に喧嘩をしたという事実のみで処罰が下されるこの考え方はもめごとの解決に武力を用い自らの力で解決するのが当然という自力救済を抑制するのに高い効果を発揮します。

現代に比べると命の価値がずっと軽くちょっとしたもめごとでも刀を抜くのが当たり前だった時代において「喧嘩両成敗」は武力による解決が自分自身にそのまま返ってくることを意味しており、その後も長きにわたって法制度の期間として用いられます。

「喧嘩両成敗」が廃れるきっかけになったのが明治維新による武家社会の終焉です。

明治になり近代的な法体系が導入されると社会制度としての「喧嘩両成敗」は廃止されますが、一般的な考え方としては引き継がれており現代でも一部でそのような考え方が残ります。


「喧嘩両成敗」を使った例文

・『明らかに相手に非があるのに喧嘩両成敗で処罰されてしまった』
・『喧嘩両成敗は古い考え方である』
・『喧嘩両成敗のはずなのに相手が一切処罰されなかったせいで家臣の間には不満が残った』

「喧嘩両成敗」の類語や言いかえ

・どっちもどっち
「双方に同じくらい非がありどちらかが一方的に悪いと言えないこと」を意味する言葉です。

「喧嘩両成敗」がもめごとの処罰を意味するのに対し、こちらはもめごとにおける責任の所在を表します。

まとめ

「喧嘩両成敗」という考え方そのものは非常に古いもので現代ではすでに過去のものとされていますが、結果的に双方が処罰されたときなどもめごとの解決方法や処分の例えとして用いられることがあります。

ビジネスの世界でも双方にペナルティが与えられたときなど使われている表現なので正確な意味を知っておきましょう。