「胸中に去来」とは?
使い方や言い換えなど、慣用句やビジネスでも使える言葉を分かりやすく解説していきます。
「胸中に去来」とは?
「胸中に去来」は「きょうちゅうにきょらい」と読みます。
「胸中」は文字通り「胸のうち」を示す言葉です。
「胸のうち」は、身体的な胸部を示すのではなく、心の中を表しています。
そのため、考えていること、思っていることと意訳するほうが分かりやすいでしょう。
また、「去来」は「去ることと来ること」を意味します。
これは、「行ったり来たりすること」と言いかえてもよいでしょう。
これらのことから、「胸中に去来」とは、心の中や考えの中で、何かの感情や何かの考えが、浮かんでは消える様子を表現した言葉なのです。
「胸中に去来」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは「胸中に去来」のビジネスでの使い方には、どのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、あなたが人事異動で転属することになったとします。
今までの部門には、入社以来ずっと世話になってきました。
そして、今回の転属に際しては、様々な思い出が胸をよぎるのでした。
若い頃の楽しかったこと、音を上げるほどに苦労したこと、たくさんの思い出があるのです。
このような場合には「今の部門で過ごした日々が、胸中に去来します」と述べるとよいでしょう。
これにより、あなたの心の中で、さまざまな感情や思い出が、浮かんでは消えている様子を的確に表現できるのです。
この言葉を使用する場合は、「きょ」の連続に注意しましょう。
「きょうちゅう」と「きょらい」で、単語の出だし文字が重複します。
これは誤りではありませんが、発音しにくいものになります。
会話で使用する場合には注意するとよいでしょう。
また、「胸の内に」のように言いかえて、「きょ」の重複を避ける工夫もできます。
「胸中に去来」を使った例文
「胸中に去来」を使った例文を挙げます。
・『さまざまな思い出が、胸中に去来する』
・『苦労した日々が、胸中に去来する』
・『二人で過ごした時間が、胸中に去来する』
「胸中に去来」の類語や言いかえ
「胸中に去来」の類語や言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「胸に浮かんでは消える」
「胸中に去来」の類語には「胸に浮かんでは消える」があります。
少し冗長になってしまいますが、シンプルな表現に言いかえた類語と言えます。
分かりやすさを重視する場合には、こちらを使用してもよいでしょう。
「心中を往来する」
また、「心中を往来する」も「胸中に去来」の類語と言えます。
これは「胸中」を「心中」に、「去来」を「往来」に言いかえたものです。
それぞれが類語であるため、組み合わせても同じような意味で使用できるのです。
まとめ
このように「胸中に去来」は、心の中に何かの感情が浮かんでは消える様子を表現するフレーズです。
上手に使えば表現力が高まるので、おぼえておくとよいでしょう。