「フリーライダー」とはどんな意味の言葉なのでしょうか。
今回は、「フリーライダー」の意味と類語について解説します。
「フリーライダー」とは?
「フリーライダー」とは、「コストを負担せず集団の利益を一方的に享受すること」を意味する言葉です。
「フリーライダー」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「フリーライダー」とは直訳すると「タダ乗り」になります。
運賃や料金を支払わずに乗り物に乗ることを「タダ乗り」といいますが、「フリーライダー」は乗り物にかぎらず「支払うべきコストを支払わずに便益だけを得ること」を意味します。
「フリーライダー」という表現は主に公共財に対して使われます。
公共財とは道路など税金によって作られる公共の設備のことです。
公共財の多くは使用するたびにいちいち料金を支払いません。
公共財に対する負担は税金という形でそれぞれの人が少額ずつ出しあう形になっており、みんなで集めたお金でみんなが使うものを作るというのが基本的な公共財の仕組みです。
無料で利用できる公共財が持つ欠点のひとつが「フリーライダー」の存在です。
料金の対価として提供されるサービスであれば料金を支払わないものを排除できます。
例えば鉄道なら切符を持たない人は改札を通れませんし高速道路なら料金所で料金を支払わないと通行を拒否されます。
公共財の場合はいちいち料金を支払わないので負担をしていないのに利用だけする人の排除が難しく、そのような仕組みを悪用しコストを逃れて利益のみを得るのが「フリーライダー」です。
負担に対して対価としての利益を得るというのは経済における基本的な仕組みですが「フリーライダー」はその基本原則に従わず己の利益のみを考えて行動する悪質な存在です。
もしすべての人が「フリーライダー」になると公共財だけでなく多くのサービスは破綻してしまいます。
公共財を含む不特定多数の人を対象に提供されるサービスにおいて「フリーライダー」は必ずつきまとう問題であり完全な排除は困難ですが、一定数を上回ると財政が破綻してしまうため制度設計においてはどのような形で「フリーライダー」を防止するかが重要課題となります。
「フリーライダー」を使った例文
・『料金を払わずに利用するフリーライダーのせいで財政が破綻してしまった』
・『フリーライダーを放置すると真面目に負担している人が損することになってしまう』
・『フリーライダー防止のために料金を徴収することになった』
「フリーライダー」の類語や言いかえ
・おこぼれにあずかる
「他人が得た利益から苦労せず利益を得ること」を意味する言葉です。
コストを負担せず利益のみを得る「フリーライダー」は他の人が負担したコストの結果として発生した利益の「おこぼれにあずかる」状態です。
まとめ
フリーライダー」は公共経済学では重要課題とされています。
ビジネスにおいてもコストを圧迫するやっかいな存在でありどうやって防止するかに頭を悩ませています。
ニュースなどでも耳にする機会のある言葉なので意味を覚えておきましょう。