「ダブルケア」とは?慣用句やビジネスでも使える言葉を分かりやすく解釈

「ダブルケア」とは? ビジネス用語【一語】

家族関連の話題で使われる言葉「ダブルケア」とは何を意味しているのでしょうか。

今回は、「ダブルケア」の意味と類似表現について解説します。

「ダブルケア」とは?

「ダブルケア」とは、「子育てと介護を同時に行わなければいけない状況」を意味する言葉です。

「ダブルケア」の使い方や使われ方、使うときの注意点

「ダブルケア」「ケア」「世話をする」「面倒を見る」という意味で使われています。

生きていくのに不可欠な身の回りの世話などが一人ではできず他の人が本人に変わって行う状況を指しています。

「ダブルケア」というのは「ケアしなければいけない対象がダブルで存在する」ことを表し、具体的には「小さな子供の世話と高齢者の介護が同時期に発生すること」を意味する言葉です。

「ダブルケア」が発生する理由としてはさまざまな原因が複雑に絡み合っていますが、大きな理由のひとつとして挙げられるのが「晩婚化とそれによる出産の高齢化」です。

女性が初めて出産する年齢は年々上昇しています。

厚生労働省が2018年に実施した調査によると第一子出産時の平均年齢は男性が32.8歳、女性が30.7歳と30歳を過ぎてから初めて子どもを持つのが当たり前になっています。

子どもを持つ年齢が遅くなっているということは親の親、つまり子どもにとって祖父母にあたる人の年齢も高齢化しているということです。

現在30歳前後の人達の母親に当たる世代が初めて子どもを持つ平均年齢は約25.8歳で今よりも約5歳ほど若く子どもを産んでいます。

年令を重ねてから子どもを持つとどうしても両親の高齢化問題が発生してしまいます。

平均的な年齢だと子どもが生まれたことに両親の年齢は55歳前後なのでまだ介護を考えるには早すぎますが、忘れてはいけないのが両親の両親つまり生まれた赤ん坊にとって曾祖父母に当たる人たちです。

かつては55歳で定年を迎えていましたが現在では70歳まで現役で働くのが一般的であり55歳といえば働き盛りまっただ中です。

この世代は女性の社会進出が進んだ世代でもあるため共働きの家庭も多く、仕事で曾祖父母の介護ができないケースが少なくありません。

介護が必要になった曾祖父母の世話を子育てで仕事を休み家にいる母親が担わざるをえない状況になってしまうと子育てと介護ダブルの負担が母親一人にのしかかる「ダブルケア」が発生します。

一般的には自分の子供と年老いた親の介護を同時にこなすことを「ダブルケア」といいますが必ずしも対象は両親にかぎらず祖父母や親戚などの介護を子育てと同時にこなす人も含まれます。


「ダブルケア」を使った例文

・『負担の大きいダブルケアが長く続けば行き詰まってしまう』
・『ダブルケアを避けるために公的な補助制度を活用する』
・『育児と介護のふたつを一人で担うダブルケアが社会問題になっている』

「ダブルケア」の類語や言いかえ

・ヤングケアラー
「介護負担を担う歳若い人」を意味する言葉です。

子供や学生など本来介護の担い手ではないはずの歳若い人に介護負担のしわ寄せが入ってしまっている状況を指します。

介護を理由に勉強や部活動などを諦めてしまうことも多く、健全な青少年育成に深刻な影響を及ぼしかねないとして社会的な対策が進められています。

まとめ

少子高齢化と結婚の晩婚化が進んでいる日本において「ダブルケア」が発生するのはある意味では必然です。

誰か一人に負担を押し付けるのではなく制度改正を含む抜本的対策が求められています。