みなさんは、ビジネスシーンで「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」という言葉を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えについて詳しく解説していきます。
「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」の意味とは?
「ご尊顔を拝し奉り、恐悦至極に、存じ奉ります」は、「ごそんがんをはいしたてまつり、きょうえつしごくに、ぞんじたてまつります」と読みます。
「ご尊顔」は、相手に対して「尊敬すべき方の顔」という意味があります。
「拝し」は、「おがみ」という意味で、「奉り」は「尊敬していますので」といった意味合いになります。
「恐悦」は「恐れ入るほどありがたい」という意味で、「至極」は「最果て、この上なく」というニュアンスがあります。
「存じ奉ります」は「そのように思います」を最上級に丁寧に表現した言葉です。
つまり「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」は、「顔を見ることが出来てとても嬉しく思う」という意味合いを、これ以上の表現が出来ないほど丁寧な敬語表現にした言い方です。
「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」の使い方と注意点
この言葉の表現は、とても丁寧な敬語ではありますが、現代のビジネスシーンにおいては、不釣り合いな言い方です。
この言葉を目上の上司や取引先の相手に使ってしまうと、嫌味として受け取られてしまいますので、使わないようにしましょう。
古くは、天皇、お殿様やお姫様などとの面会が特別に許された場面で、決められた挨拶として用いられていました。
それほど、この言葉が最上級の敬語表現であるということです。
「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」の言い換え
ビジネスシーンで、「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」のようなニュアンスを表現するための工夫を、いくつか例を見ながら考えてみましょう。
・『お目にかかれて光栄です』
「会えて」をとても丁寧な言い方にしたのが「お目にかかれて」です。
「光栄です」は、「嬉しい」という意味ではなく、相手に会えたことを「名誉に思う」というニュアンスとして解釈します。
ですから、「お目にかかれて光栄です」は、「あなたに会えて、とても名誉に思います」という意味の言葉と言えます。
・『お会いできてとても嬉しく思います』
この言い回しは、ビジネスシーンをはじめ様々な場面において、とてもよく使われています。
敬語表現としては、それほどかしこまった言い方ではありませんが、「お会い」の接頭語「お」や、「思います」の「ます」など丁寧語を用いて、「嬉しい」気持ちをシンプルに言い表しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ご尊顔を拝し奉り恐悦至極に存じ奉ります」は、極めて位の高い人に会う際の挨拶で、この上ない丁寧な敬語表現を用いて言い表した言葉です。
現代の日常では聞くことの無い言葉ですが、歌舞伎などの文化や歴史を重んじる舞台のセリフや、時代劇映画やドラマなどで、その背景や様子を伺い知ることができます。
機会があれば、ぜひ耳を傾けてみてはいかがでしょうか。