「部屋でくすぶる」とは?使い方や言い換えなど、ビジネスでも使える言葉を分かりやすく解釈

「部屋でくすぶる」とは? ビジネス用語【一語】

「部屋でくすぶる」とはどのような意味を持つ慣用句なのでしょうか。

今回は、「部屋でくすぶる」の意味と使い方について解説します。

「部屋でくすぶる」とは?

「部屋でくすぶる」とは、「表に出ることなく自室で何もせず無為に時間を過ごすこと」を意味する言葉です。

「部屋でくすぶる」「くすぶる」は漢字で「燻ぶる」と書きます。

「くすぶる」のもともとの意味は「しっかり火が回らず煙ばかりだして燃えるさま」です。

食材に煙を浴びせて水分を飛ばす調理法のことを「燻製」といいます。

燻製を作るときは火を大きくせずゆっくりとウッドチップを燃やし大量の煙を食材に浴びせますが、そのようなものの燃え方を指す言葉が「くすぶる」です。

いつまでも火が大きくならず小さいまま燃え続ける様子から転じて「一向に成果が出ないまま長い期間を過ごすこと」「くすぶる」と表現します。

下積みを長く続けているなど日の目を見ないさまが「くすぶる」ですが、さらにそこから転じて「閉じこもって陰気に過ごすこと」という意味でも使われています。

「部屋でくすぶる」というのは「部屋に閉じこもり陰気に時間を過ごすこと」を意味する表現です。

一般的に前向きな意味で使われることはなく「やりたいことがない」「やっても無駄だと諦めて行動しない」といった後ろ向きで引きこもった様子を表します。

「部屋でくすぶる」の使い方や使われ方、使うときの注意点

「くすぶる」という表現には「やり方次第で燃える可能性がある」という大前提が共有されています。

草や木など日をつければ燃えるはずなのに何らかの理由で火が回らず大きくならないのが「くすぶる」であり、不燃性の物体など最初から燃える可能性がないものとはまったく違います。

「部屋でくすぶる」という表現も「表に出て前向きな気持で活動すれば何かあるかもしれないのにそうせず無為な時間を過ごしている」という諦念めいた気持ちが含まれた表現です。

「部屋でくすぶる」という言葉はチャンスや可能性があるのに部屋に引きこもり活動していない状況を指しているのできちんとした考えや理由があって外に出ていない人に対しては使いません。

ケガが治るまで部屋で安静に過ごしている人や自室でリモートワークに就いている人など合理的な理由があり部屋で過ごす時間が有意義な人に対して「部屋でくすぶる」という表現を使うのは不適切です。


「部屋でくすぶる」を使った例文

・『金がなく外出してもやることがないからと部屋でくすぶる毎日だ』
・『部屋でくすぶるのもそろそろ終わりにして外に出てはどうだろうか』
・『やればできるのだから部屋でくすぶらせておくのはもったいない』
・『あれほどの才能があるのに先日まで部屋でくすぶっていたとは信じがたい』

「部屋でくすぶる」の類語や言いかえ

・引きこもる 「自宅や自室など拠点に入ったまま表に出ないこと」を意味する言葉です。

外出しないだけでなく外部との交流や連絡を絶つなどつながりを切って接触を避ける様子を表します。

まとめ

「部屋でくすぶる」は後ろ向きなニュアンスを含む表現です。

ある程度期待している相手にのみ使われる期待の裏返しを示す表現なので使う相手を選びます。

相手の事情を考慮しないまま使うと失礼に当たる可能性があるので注意しましょう。