ビジネスにおいては、どんなに気を付けていても、残念ながら手違いやミスも起こり得ます。
意思疎通が上手く行かなかったりすることも、その1つの事例でしょう。
そして、「行き違いで連絡をいただいておりましたら」というフレーズも、その1つのパターンでよくあるビジネス表現であり、ここでしっかりと解説してみたいと思います。
「行き違いで連絡をいただいておりましたら」とは?
まずは「行き違い」の意味から考えましょう。
文字通り「すれ違い」を意味することもありますが、そこから発展して「意思が通じずに食い違いが生じること」という意味もあります。
ビジネスで「行き違い」の言葉が使用される場合、現実には両方の意味が考えられますが、この場合は連絡の「行き違い」ですので、「すれ違い」の意味合いと考えて良いでしょう。
相手が連絡してくれていたものの、自分には伝わっていなかった場合に備えて、相手を責める度合いを引き下げる意味のある表現です。
尚、「行き違い」の読み方は「いきちがい」でも「ゆきちがい」でもどちらも認められています。
「行き違いで連絡をいただいておりましたら」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
例えば、約束通り取引先へ訪問したものの、担当者が急用で不在だった場合について考えてみましょう。
担当者に、訪問したが不在だったことをメールで伝える際に、このフレーズが使われます。
相手から会社の方に、急用が出来て会えないことについての連絡が事前に入っていたケースが考えられ、その場合は担当者に非はなく、こちらの情報伝達に問題があったことになります。
そのような場合に備えて、「行き違いで連絡をいただいておりましたら」というフレーズを入れておくことで、相手への配慮と事態の悪化を防ぐことが出来るのです。
「行き違いで連絡をいただいておりましたら」を使った例文
それでは、実際に起こり得るパターンの、上記とは別の例文を挙げてみましょう。
・『お支払いの件につきまして連絡さしあげましたが、もし行き違いで連絡をいただいておりましたら、ご容赦ください』
・『お知らせいただいていた宛先について確認させていただきたいことがございます。もし行き違いで連絡をいただいておりましたら、申し訳ございません』
このフレーズの後には、何らかの謝罪に該当する表現が続くことが多いようです。
「行き違いで連絡をいただいておりましたら」の類語を使った言いかえや敬語表現
「行き違い」が単なる「意思の疎通」という意味だけなら、「齟齬」「そご」や「不一致」「ふいっち」や「食い違い」「くいちがい」などで代用出来ます。
ただ、このフレーズの場合はあくまで「連絡の行き違い」に限定されており、それらの言葉で置きかえるのは不適切と言えるでしょう。
基本的には「すれ違い」がもっともしっくり来る言いかえになります。
また、敬語表現を強めるため、「連絡」を「ご連絡」とすることも出来ますし、「連絡」を「お電話」や「メール」と、より具体的にすることも可能です。
これらを踏まえると、「すれ違いでご連絡をいただいておりましたら」や「すれ違いでお電話いただいておりましたら」という言いかえが考えられます。
まとめ
「行き違いで連絡いただいておりましたら」は、連絡のすれ違いで自分に相手の意思が伝わっていないことに備えた、相手への配慮や相手の自分に対する印象を悪くしないための表現です。