「勝って兜の緒を締めよ」とは?慣用句やビジネスでも使える言葉を分かりやすく解釈

「勝って兜の緒を締めよ」とは? ビジネス用語【一語】

この記事では、「勝って兜の緒を締めよ」という言葉についての意味、使い方や注意点、例文や言い換えについて詳しく解説していきます。

「勝って兜の緒を締めよ」とは?

「勝って兜の緒を締めよ」は、「かってかぶとのおをしめよ」と読みます。

意味は、「戦に勝ったからと言って、すぐに兜を脱いでしまわずに、兜の緒を締め直すぐらいの気持ちが大事である」というニュアンスから、転じて、「物事が成功しても、油断することなく、より一層気持ちを引き締めて取り組むこと」という意味合いとして使われています。

戦国時代の武将「北条氏綱」の遺言で、近代では、日露戦争における日本海海戦で完勝し、英雄となった「東郷平八郎」がこの言葉を引用したことも有名です。

「勝って兜の緒を締めよ」は、ことわざ、慣用句、名言などとして、現代でも親しまれています。

「勝って兜の緒を締めよ」の使い方や注意点

目の前の物事がひとつ上手いくと、安心や満足から無意識に気を抜いてしまうものです。

そのような、油断や慢心を戒めることわざが、「勝って兜の緒を締めよ」です。

「兜」は頭部を守る大切な防具です。

戦場で敵が何処に潜んでいるかも分からない状況であるのに、兜を脱いだ隙をつかれ、返り討ちにあってしまっては元も子もありません。

戦場を抜けて、完全に安心安全となるまで、兜は脱ぐべきではありません。

注意点としては、「リラックスしてはいけない」という意味ではないという事です。

「油断や慢心」への戒めであるということを覚えておくと良いでしょう。


「勝って兜の緒を締めよ」を使った例文

・『商談は成立したが、ここからが大事。勝って兜の緒を締めよの気持ちで取り組もう』
・『初戦は突破したが、次戦も強敵だ。勝って兜の緒を締めよの精神で挑もう』
目の前の課題や問題をひとつクリアする度に、ホッと一息つきたくなるのが心情です。

ちょっとした油断が、思わぬ見落としや失敗を招くものだから、気を引き締めていこうという心構えとして、「勝って兜の緒を締めよ」はよく使われています。

「勝って兜の緒を締めよ」の類語や言いかえ

・『油断大敵』
・『油断は禁物』
・『慢心鼻を弾(はじ)かる』
「油断」という熟語を使ったことわざや慣用句などはよく見聞きします。

それだけ「油断」には良いことがないことを意味しています。

「慢心鼻を弾かる」は、「自分の成功や能力の高さに満足や油断していると、いつか恥をかくことになる」という意味合いの言葉です。

人の心の「隙間」が見え隠れしています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「勝って兜の緒を締めよ」は、戦国武将の遺言、名言であり、「油断することなく、より一層気持ちを引き締めて取り掛かろう」というメッセージが込められている言葉です。

ビジネスシーンをはじめ、日常やスポーツなどでも、「油断すべきではない」場面はとてもよくあるものです。

みなさんの心にも、この言葉を留めておいてみてはいかがでしょうか。