「火中の栗を拾う」とは?
使い方や言い換えなど、ビジネスでも使える言葉を分かりやすく解説していきます。
「火中の栗を拾う」とは?
「火中の栗を拾う」は、「自分の利益にならないのに危険をおかすこと」を意味する言葉です。
これは「猫と猿」の寓話がもとになった言い回しとされています。
猿が悪知恵を働かせて、火の中にある栗を猫に拾わせるとい言う話です。
猫は猿におだてられて危険な栗を拾うわけですが、猿はその横で猫が拾った栗を食べるのです。
この話から、「火中の栗を拾う」という言い回しが、猫の立場で「自分の利益にならないのに危険をおかすこと」を意味するように使用されるのです。
「火中の栗を拾う」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは「火中の栗を拾う」のビジネスでの使い方には、どのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、ある取引先から投資の話を持ちかけられました。
しかし、その投資の内容は、非常にリスクが高いうえに、あなたにとってメリットが少ないものでした。
このような場合には、「火中の栗を拾うような真似はできません」と述べて、その話を断るとよいでしょう。
「無意味なリスクをおかすこと」を「火中の栗を拾う」という慣用句で、上手に言置き換えできるのです。
この言葉を使用する場合は、「他人の利益のために」という意味を含むことに注意しましょう。
単純にリスクをおかすの意味ではないため、使い方や使う場合の相手との関係性によっては、期せずして失礼な表現になることも考えられるのです。
そうならないように、言葉の意味をしっかり理解しておきましょう。
「火中の栗を拾う」を使った例文
「火中の栗を拾う」を使った例文を挙げます。
「他人の利益のためにリスクをおかす」という意味だと理解して使うと、上手に使いこなせることでしょう。
・『火中の栗を拾うような真似はできない』
・『火中の栗を拾う覚悟で投資した』
・『このままでは火中の栗を拾うことになるかもしれない』
「火中の栗を拾う」の類語や言いかえ
「火中の栗を拾う」の類語や言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「火中に身を投じる」
「火中の栗を拾う」の類語には、「火中に身を投じる」があります。
同じ「火中」を使った表現であり、リスクをおかすことを意味する点では似ている言葉と言えます。
しかし、「他人のために、自部の利益にならない」などの意味は含まないので、若干の違いがあるとも言えるのです。
「虎穴に入る」
また、「虎穴に入る」も「火中の栗を拾う」の類語と言えます。
こちらは、大きな成果を得るためにリスクをおかすことを意味するので、「火中の栗を拾う」とは少し意味がことなるものとして使用できます。
まとめ
このように「火中の栗を拾う」は「他人の利益のためにリスクをおかす」ことを表現する言葉です。
ビジネスでも意外に使用できる機会が多いものなので、上手に使いこなすとよいでしょう。